2024年10月4日更新
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「プラットフォーム・エンジニアリング」をはじめ、価値を創出し、組織が自社の強みや競争力を向上させるために役立つテクノロジのトレンドをご紹介: 2024年の戦略的テクノロジのトップ・トレンド
プラットフォーム・エンジニアリングは、セルフサービス機能とインフラストラクチャ・オペレーションの自動化により、開発者のエクスペリエンスと生産性を向上させます。開発者のエクスペリエンスを最適化し、プロダクト・チームによる顧客価値のデリバリを加速させることが期待できるため、大きく注目されています。
また、プラットフォーム・エンジニアリングは、従来の枠組みを超えて技術的な作業と知識を活用します。つまり、開発者だけでなく、オペレーションチームやビジネスチームなど、異なる役割の人々が技術的な作業に参加することにより、組織内の異なる部門や役割間でのコラボレーションが促進され、より効率的なプロセスと意思決定が可能になります。
このような状況では、ジェネレーティブAI(生成AI)もプラットフォームエンジニアリングの一環として活用される一つの手段となり得ます。機械学習や自己学習のアルゴリズムを使用して、新しいアイデアや解決策を生成する生成AIの能力により、異なる役割やビジネス機能の人々が、より創造的で革新的な方法で技術的な作業に取り組むことができます。
ガートナーのアナリストでバイス プレジデントのポール・デロリー (Paul Delory) は、次のように述べています。「プラットフォーム・エンジニアリングは、複雑化が進む近代的なソフトウェア・アーキテクチャに対応するために登場しました。今日では、エキスパートではないエンドユーザーに対しても、複雑で難解なサービスを組み立てて運用するよう求められることがよくあります。先見的な企業は、エンドユーザーを支援し、エンドユーザーが行う有益な作業で生じる摩擦を減らすため、エンドユーザーと、エンドユーザーを支援するバックエンドのサービスとを仲介するオペレーティング・プラットフォームの構築に着手しています」
2026年までに、ソフトウェア・エンジニアリング企業の80%が、アプリケーション・デリバリのための再利用可能なサービスやコンポーネント、ツールの社内プロバイダーとしてプラットフォーム・チームを結成するでしょう。プラットフォーム・エンジニアリングは、ソフトウェア開発者とオペレーター間で行われる協業に関する核となる問題を解決することになります。
プラットフォーム・エンジニアリングは、特にデジタル・トランスフォーメーション(DX)において、企業のソフトウェア・デリバリを近代化することを目的とした新しいトレンドです。エンジニアリング・プラットフォームは、専任のプロダクト・チームによって構築/保守されます。また、再利用可能な共通のツールや能力を提供し、複雑なインフラストラクチャのインタフェースとして機能することで、ソフトウェア開発者などのニーズをサポートするように設計されます。
エンジニアリング・プラットフォームが具体的にどのような能力を持つかは、エンドユーザーのニーズによって決まります。プラットフォームは、専任のエキスパート・チームが構築して、開発者/データ・サイエンティスト/エンドユーザーなどの顧客に提供されるプロダクトです。プラットフォーム・チームは、ユーザー・グループのニーズを理解し、作業に優先順位を付け、対象ユーザーにとって有益なプラットフォームを構築する必要があります。
プラットフォーム構築の初期段階は、最も成熟度の高い社内開発者ポータル (IDP) から開始することがほとんどです。IDPで提供されるツール、能力、プロセスは、特定領域の専門家が選択し、開発者の利便性を考えてパッケージ化された選りすぐりのセットとなります。プラットフォーム・チームは、サポート対象の開発者とよく相談しながら、状況に応じた最適なアプローチを見極める必要があります。
目標は、摩擦のないセルフサービス型の開発者エクスペリエンスを実現し、開発者などのエンドユーザーが可能な限り最小限の負荷で価値の高いソフトウェアを作成できるように、適切な能力を提供することです。したがってプラットフォームには、開発者の生産性を高め、認知面での負担を軽減することが求められます。また、開発チームが必要とするものすべてを、チームが希望するワークフローに最も適した方法で提供することも必要です。
新世代のツールが開発されたことにより、DevOpsコミュニティではプラットフォーム・エンジニアリングが最も注目度の高い話題の1つになっています。これらのツールは、プラットフォームを構築/保守を容易にすることを目指しています。
企業が異なれば、どのような開発プラットフォームを理想と考えるかも異なります。同じ企業内でも、開発チームによってニーズが全く異なる場合もあります。
エンジニアリング・プラットフォームの最大の目標は、開発者の生産性を向上させることです。組織にとっては、このようなプラットフォームによって一貫性と効率化が促進されます。開発者にとっては、デリバリのパイプラインや低レベルのインフラストラクチャの管理から解放されるというメリットがあります。
Paul Deloryは、Gartner for Technical Professionals (GTP) のリサーチ バイス プレジデントであり、「テクニカル・プロフェッショナルのためのデータセンター・インフラストラクチャ」と「テクニカル・プロフェッショナルのためのクラウド・コンピューティング」のアジェンダ マネージャーを務めています。システム管理者とテクニカル・プロフェッショナル・サービス・ベンダーにテクノロジについての専門知識を提供しています。
【海外発の Gartner Articles】
本資料は、ガートナーが海外で発信している記事を一部編集して、和訳したものです。本資料の原文を含め Gartner が英文で発表した記事に関する情報は、以下よりご覧いただけます。
https://www.gartner.com/smarterwithgartner/
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