2024年6月11日

Gartner、ビジネスを成長させるには、最終的に顧客へ価値を提供するに至る業務改善を推進する必要があるとの見解を発表

「ガートナー アプリケーション・イノベーション & ビジネス・ソリューション サミット」(6月18~19日) においてアプリケーションの観点から押さえておくべき最新の知見を提供

 

ガートナージャパン株式会社 (本社:東京都港区、以下Gartner) は、ビジネスを成長させるには、最終的に顧客へ価値を提供するに至る業務改善を推進する必要があるとの見解を発表しました。

日本企業はビジネス環境がますます厳しくなっていると認識

Gartnerは、2024年3月に国内従業員規模2,000人以上の企業を対象に実施したカスタマー・エクスペリエンス (CX) に関する調査で、CXに取り組んでいると回答した企業に対し、5年前と比較して、自社と他社の競合環境はどのように変化しているかを尋ねました。その結果、72.6%が5年前と比べて厳しくなっていると回答しました。日本企業のビジネス環境はますます厳しくなっていると認識されていることが明らかになりました (図1参照)。

シニア ディレクター アナリストの川辺 謙介は次のように述べています。「今回の調査では、対象をCXに取り組んでいる大企業に絞っていますが、優位になっていると回答した割合はわずか7.2%でした。そもそもCXの取り組みは、激化する市場において差別化を図るために推進されることが多いわけですが、その意味では日本企業がCXの取り組みを通じてビジネスに貢献しているとはとても言えない状況です」

図1. ますます厳しくなる競争環境
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出典:Gartner (2024年6月)

日本におけるデジタル・ビジネスの割合は世界の平均からほぼ4年遅れの状況に

一方、Gartnerが世界のCIOを対象に実施した「2024年CIO/テクノロジ・エグゼクティブ・サーベイ」では、日本企業が、社内のビジネス・プロセスのデジタル化に関しては2年、社外に対する顧客向けのデジタル・ビジネスに関しては4年、世界の平均に後れを取っていることが明らかになっています (図2参照)。

図2. 日本企業におけるデジタル由来の売り上げとデジタル化されたプロセスの割合 (平均)

出典:Gartner (2024年6月)

日本企業が社外におけるデジタル・ビジネスの割合を増やしてビジネスを成長させるには、今まで以上に顧客に焦点を当てた取り組みを強化し、顧客にとっての価値を提供することが重要です。それにはテクノロジを活用して他社よりも速く顧客に提供する、無駄な時間を減らして機会を拡大する、顧客からの信頼を獲得するための取り組み、などが求められます。

川辺は次のように述べています。「企業は、現在の業務の取り組み方を顧客中心の観点から見直し、最新のデジタル・テクノロジを活用した適切な顧客応対アプリケーションをどこに導入すべきか検討する必要があります。ここで重要な点は、CXだけでなく、従業員エクスペリエンス (EX) を改善させて、従業員の『不必要な労力』を軽減することです」

Gartnerの調査では、顧客応対を行う従業員の6割以上は、「不必要な労力」が、顧客へのより高品質なエクスペリエンスの提供を妨げていると回答しています。加えて、日本企業は自社の成長を阻んでいる重大な要因として、旧来の業務やシステムの非効率さがあると捉えていることも明らかになっています。これを改善することで、従業員の士気や満足度が高まると同時に、彼らと接する顧客の満足度が高まり、それによって自社の成長を実現できるとGartnerは考えています。

川辺は次のように述べています。「生成AIをはじめとした昨今のデジタル・テクノロジは目覚ましく発展しています。日本企業は、どのような業務にどのようなデジタル・テクノロジを適用すべきか、すればよいか、それによってどのように自社が成長できるかといった視点を持ち、経営的・戦略的な観点から抜本的改革に取り組む必要があります。既存業務を担当するアプリケーション・リーダーにおいても、現行アプリケーションの選定や実装にとどまることなく、最終的に顧客へ価値を提供すべく、将来を見据えた先取的で発展的な対応が必要です」

Gartnerのサービスをご利用のお客様は、リサーチノート「2024年のCIOとテクノロジ・エグゼクティブのアジェンダ:日本の展望」および「2024年の展望:デジタル・トランスフォーメーションは業務改革から始まる」で関連する内容をご覧いただけます。
日本で提供しているサービスについては、こちらよりご参照ください。https://www.gartner.co.jp/ja/products

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ガートナー アプリケーション・イノベーション & ビジネス・ソリューション サミットについて

2024年6月18~19日にウェスティンホテル東京にて開催するガートナー アプリケーション・イノベーション & ビジネス・ソリューション サミットでは、「新たなインテリジェンス、新たな価値、新たなスキル」をテーマに、アプリケーション/ソフトウェア・エンジニアリング担当エキスパートやITリーダーに向けて、ミッション・クリティカルな優先課題の解決に必要な最新の知見やアドバイスを提供します。本プレスリリースに関連する内容は前出の川辺が講演で解説します。コンファレンスのニュースと最新情報は、Xでご覧いただけます (#GartnerAPPS)。

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