ブロックチェーンがビジネスに与える潜在的な影響は極めて大きなものです。取引相手の素性が分からず、相手が取引したいという資産を本当に所有しているか確信が持てないという理由で、現在実行していない、または実行できないすべての取引を思い浮かべてください。
無数の潜在的な取引相手、資産の種類、取引にとって、このような不確実性は問題ではなくなるのです。ブロックチェーンは参加者を特定し、取引のあらゆる要素が有効であることを確認するほか、エコシステム・ルールを適用し、参加者全員がそのルールを遵守していることを保証します。
19世紀以来、商取引において、身元の保証と法的地位の確立に使われてきた低速かつ高コストのアナログ手法は過去のものとなるでしょう。
それと同様に重要なのは、ブロックチェーンが従来の中央集権型システムで可能だった取引よりも、種類/規模の両方で、よりスピーディーにかつ多様な取引を実現する能力です。
企業は長年にわたり、商取引の実行およびリスク管理のために、決済システム、保険、配送/物流サービス、政府など中央集権型インフラストラクチャに依存してきました。しかし、そうしたシステムは、デジタル・プラットフォームが可能にするマシン・ツー・マシン取引の複雑さ、規模、スケールに対応できるようには設計されていません。
デジタル・ネットワークでは、単体データ、暗号通貨などのデジタル・ビジネス資産、リワード・ポイント、断片的な資産を、プログラマブル・エコノミーの一環として取引できます (もしくは、まもなくできるようになります)。構成単位が0.01ドルに満たない取引は、数百万~数兆単位で取引される可能性があります。一方、現行の決済システムは、一定額以下の取引をコスト効率よく、安全に処理することができません。また、現在可能な取引量を処理することもできません。
企業は、あらゆる関係者のデータを収集して価値の一部を取得する仲介者を介さずに、新しいデジタル資産とやりとりに対処するための新たな方法を必要としています。ブロックチェーンによって、こうした課題の解決が期待できます。