- ガートナーの「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2022年」では、競争力のある差別化と効率化を強化する、25の押さえておくべきイノベーションを取り上げている。
- 2年という短さで「主流の採用」に達するイノベーションはごく少数であり、多くは10年以上かかる。
- 誕生したばかりのテクノロジの導入には、大きなリスクを伴う場合があるが、アーリー・アダプター (早期採用者) は、大きな先行者メリットを得られる可能性がある。
2022年9月4日
ガートナーの「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2022年」では、エンタプライズ・アーキテクチャとテクノロジ・イノベーションのリーダーを支援することを目的として、25の押さえておくべき先進テクノロジを特定しています。これらの先進テクノロジは、以下の3のテーマに分類されます。
これらの先進テクノロジは今後2~10年にわたってビジネスと社会に大きなインパクトを与えることが予想されますが、特にCIOをはじめとするITリーダーが、デジタル・ビジネス・トランスフォーメーションを達成できるようにするものです。
今すぐダウンロード (英語):2021-2023 Emerging Technology Roadmap for Large Enterprises
先進テクノロジとは本質的に破壊的なものであり、それらがもたらす競争力は、まだよく知られていないか、証明されていません。この機会をつかむには、その潜在的なユースケースと、テクノロジが「主流の採用」に達するまでの道のりを理解することが極めて重要です。「主流の採用」に達するまでの年数は、短いもので2年、長いもので10年以上を要する可能性があります。
アナリストでバイス プレジデントのメリッサ・デイヴィス (Melissa Davis) は、次のように述べています。「これらのテクノロジは、いずれも初期段階のものです。一部はまだ誕生したばかりで、どのように進化するかが不確実であり、そうしたテクノロジの導入には、大きなリスクを伴う場合があります。一方で、アーリー・アダプター (早期採用者) には大きな先行者メリットをもたらす可能性があります。その意味において、これらはガートナーの戦略的テクノロジのトップ・トレンドとは異なります」
ガートナーの「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2022年」では、先進テクノロジを取り上げ、2,000を超えるテクノロジや適用済みフレームワークから主要な知見を抽出し、潜在能力が高いものを簡潔にまとめています。大半のテクノロジには複数のユースケースがありますが、エンタプライズ・アーキテクチャとテクノロジ・イノベーションのリーダーは、組織に最大のメリットをもたらす可能性があるテクノロジを優先すべきです (また、ターゲットとするユースケースでのテクノロジの実現可能性を実証する、概念実証 (POC) プロジェクトを始動する必要があります)。
以下では、2022年の一連の先進テクノロジを分類する3つのテーマについて、詳しく解説します。
今すぐWebinarを視聴 (英語):The Gartner Hype Cycle for Emerging Technologies 2022
このテーマに分類されるテクノロジのメリットは、個人が自身のアイデンティティとデータに対する自らのコントロールを強化し、自らのエクスペリエンスの範囲を広げて、デジタル通貨と統合が可能なバーチャルな場とエコシステムにまで入り込めることです。また、企業は、新たな方法で顧客にリーチし、収益源を強化または新規開拓できるようになります。
顧客のデジタル・ツイン (DToC) は、顧客の仮想表現を動的に作成して、顧客行動をシミュレーションし、模倣および予測できるよう学習します。この結果を生かしてカスタマー・エクスペリエンス (CX) を修正および強化するとともに、新たなデジタル化の取り組み、プロダクト、サービス、機会をサポートできます。DToCが「主流の採用」に達するまでには5〜10年かかりますが、組織に変革をもたらすテクノロジになります。
「イマーシブ・エクスペリエンス」において極めて重要なテクノロジとして、以下があります。
AI導入を拡大することは、プロダクト、サービス、ソリューションの進化にとって不可欠です。換言すれば、AIモデルの開発とトレーニングにAIを適用し、このAIモデルをプロダクト、サービス、ソリューションのデリバリのためにデプロイすることで、専門AIモデルの作成を加速するということです。結果として、予測/意思決定の精度向上や、期待される成果実現までの時間短縮をもたらします。また、人間の役割は、消費者、評価者、監督者としての役割にさらに重点が置かれるようになります。
加速されたAI自動化の一例であるオートノミック・システムは、限定領域のタスクを実行する自己管理型の物理システム/ソフトウェア・システムです。自律性、学習、仲介という3つの基本特性を有しています。従来のAI手法でビジネスの適応性、柔軟性、俊敏性を達成できない場合、オートノミック・システムがそれらの実装を支援できる可能性があります。オートノミック・システムが「主流の採用」に達するまでには5〜10年かかりますが、組織に変革をもたらすテクノロジになります。
「人工知能 (AI) 自動化の加速」において極めて重要なテクノロジとして、以下があります。
デリバリの最適化に関連するテクノロジは、デジタル・ビジネスの構築における主要な構成要素である、プロダクト/サービス/ソリューションの構築者コミュニティ (フュージョン・チームなど) と、そこで使用されるプラットフォームを重視するものです。これは、テクノロジストにフィードバックと知見をもたらし、プロダクト/サービス/ソリューションのデリバリを最適化および加速するほか、ビジネス・オペレーションの持続可能性を高めます。
クラウド・データ・エコシステムは、テクノロジストによるデリバリの最適化の好例です。探索的データ・サイエンスから本番運用データウェアハウスの作成まで、幅広いデータ・ワークロードを巧みにサポートする、まとまりのあるデータ管理環境を提供します。そして、デリバリを合理化し、デプロイ/最適化/保守を容易に遂行できるようにする包括的な機能を提供します。クラウド・データ・エコシステムが「主流の採用」に達するまでには2〜5年かかり、ユーザーにとって非常に有益なテクノロジになります。
「テクノロジストによるデリバリの最適化」において極めて重要なテクノロジとして、以下があります。
【海外発の Gartner Articles】
本資料は、ガートナーが海外で発信している記事を一部編集して、和訳したものです。本資料の原文を含め Gartner が英文で発表した記事に関する情報は、以下よりご覧いただけます。
https://www.gartner.com/smarterwithgartner/
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