デジタル・ビジネス・トランスフォーメーションを加速し続けるには

2021年6月11日

デジタル・ビジネス・トランスフォーメーションを加速し続けるには、立ち止まって現在行っている効果的な取り組みを見極め、それを継続的なトランスフォーメーションに結びつける方法を見つけ、新たな業務体制を確立していく必要があります。

デジタル・ビジネス・イニシアティブを加速させようとする動きは、働き方や意思決定の方法に大きな変化をもたらしています。ハイブリッド・ワークフォース・モデルが定着しつつあり、リーダーはデジタル化の勢いを止めないことが最重要課題であると考えています。

「デジタル化推進プランとは矛盾した行動に逆戻りする恐れがあります」

つまり、パンデミック対応のために変革されたプロセスや意思決定を確実に実践し、デジタル以外の行動や習慣に逆戻りしないようにする必要があります。

ガートナーのアナリストでバイス プレジデントであるクリスティ・ストラックマン (Christie Struckman) は、「パンデミック対応の一環で、チームは素晴らしい成果を数多く成し遂げたはずです。組織はこの勢いを維持して、デジタル化戦略を推進させるためのプランをさらに発展させる必要があります。しかし、組織が独自のハイブリッド型勤務の定着に向けて取り組みを進めるうちに、デジタル化推進プランとは矛盾する行動に逆戻りする恐れがあります」と指摘します。

古い行動習慣に戻ることを防ぐために、3つのステップ「1. 休止」「2. 評価」「3. 教育」のアプローチを取り入れます。

 

古い行動習慣に戻ることを防ぐために、3ステップのアプローチを取り入れる

休止

中間分析を実施して、組織の現状を評価します。リーダーは、チーム・メンバーや同僚から知見を収集し、業績データを評価します。中間分析はポストモーテム (プロジェクトを振り返って、次に活かせる具体案やベストプラクティスを創出する作業) に似ていますが、ポストモーテムがプロジェクトの終わりに行われるのに対し、中間分析は変革の途中で実施されます。

CIOは、中間分析テンプレートを使用して、パンデミックに対応したデジタル化への移行、期待される成果 (例えば、ビジネス戦略の推進、コストの最適化、生産性の向上) また維持すべき変更点や新たに行う変更、または以前の状態に戻す必要のある活動を文書化することができます。

休止のヒント:
  • 企業全体で関係者すべてによって取り組みを行う。
  • 持続可能なプラクティスを評価する。例えば、自宅勤務の方がオフィス勤務していた時と比べて、さらに長時間働いているということであれば、これは持続可能なビジネス・モデルとは言えず、「維持」すべきではありません。

評価

維持する活動、新たな活動、以前の状態に戻す必要のある活動を特定したら、最適な業務体制をサポートするシステムやテクノロジが導入されているかどうかを評価し、古い行動習慣を排除する必要があります。システム、プロセス、プラクティスを変更する必要がある場合は、それを設計、開発、実施する計画を策定します。いまの状態 (from) から、何に変更するのか (to)、そして変更によって見込まれる成果 (because) を文書化して、これらの変更が正当であることを確認します。

例えば、自宅でもオフィス勤務と同じように高い生産性を維持できることがわかれば、組織は、オフィスから遠い場所に住む従業員の採用を検討して、人材不足を解消できます。

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 以前と比べ、従業員の生産性は向上していますか?

リモートで働く従業員を募集・雇用し、オンボーディングを実施するには、地理的な問題の克服、リモート面接のプロセス、リモートでオンボーディングを行える環境などへの投資が必要です。この場合の「評価」ステップは、地域の人材だけでなく、場所にとらわれずにリモートで働く人材を採用するために必要な変更を文書化し、正当であることを確認します。これによって、組織はより広い視野で人材を探すことができます。

評価のヒント:
  • 中間分析テンプレートでハイライトされたプラクティスに優先順位をつける。
  • 必要な変更点を特定し、それらに優先順位を付けて、理由とどのようなメリットをビジネスにもたらすかを明確にする。

教育

維持する変更、新たな変更、または以前の状態に戻す必要のある優先度の高い活動を特定して、文書化します。次にその管理と導入の責任者を選定して、具体的な実施方法と期限を決定します。影響を受けるすべての関係者にこの計画を知らせ、定期的に会議を開いて、進捗状況の確認、直面する課題の解決、フィードバックの提供、スケジュールの調整を行います。

教育のヒント:
  • 逆戻りを防ぎ、デジタル化を進めるために必要なシステム、プロセス、プラクティスの優先順位に基づいて、具体的なアクション・プランを策定する。
  • 責任者に求められる期待を明確にし、確実に実行する。

【海外発の Gartner Articles】
本資料は、ガートナーが海外で発信している記事を一部編集して、和訳したものです。本資料の原文を含め Gartner が英文で発表した記事に関する情報は、以下よりご覧いただけます。
https://www.gartner.com/smarterwithgartner/

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