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2023年11月14日

Gartner、日本のCIO200人以上を含む世界のCIO約2,400人を対象にした調査結果を発表 — CIOの45%はCレベル幹部と共同のデジタル・デリバリのオーナーシップへと移行を進めていることが明らかに

CIOとテクノロジ・エグゼクティブは、ゲーム・チェンジャーとなるテクノロジとしてジェネレーティブAI (生成AI) を挙げる

ガートナージャパン株式会社 (本社:東京都港区、以下Gartner) は、開催中の「Gartner IT Symposium/Xpo 2023」において、世界のCIOとテクノロジ・エグゼクティブを対象に毎年実施している「CIO/テクノロジ・エグゼクティブ・サーベイ」の最新版の結果を発表しました。CIOの45%は他のCレベル幹部と協力してIT部門とビジネス部門の人材を融合し、全組織規模でデジタル機能のデリバリ (デジタル・デリバリ) を共同で主導する取り組みを始めていることがGartnerの調査で明らかになりました (グローバル版は2023年10月17日に発表しています)。

Gartnerの「2024年CIO/テクノロジ・エグゼクティブ・サーベイ」では、世界84カ国のあらゆる主要業種に属する2,457人のCIOもしくはテクノロジやデジタル化を主導するエグゼクティブから回答を得ました (日本からは235人が回答しています)。回答者が所属する企業/組織の売上高/公的機関の支出額の総額はおよそ12兆5,000億米ドルであり、IT支出総額は1,630億米ドルに達します。

CIOはジェネレーティブAIでデジタル・デリバリの民主化を継続する

CIOは既に、ローコード・プラットフォームなどのテクノロジによってデジタル・デリバリの民主化の基盤を築いています。CIOの70%が「ゲーム・チェンジャーとなるテクノロジ」と回答しているジェネレーティブAI (生成AI) も、IT部門の範囲を超えてデジタル・デリバリの民主化を急速に進めるテクノロジになるでしょう。調査時のジェネレーティブAIのテクノロジを既に展開している世界のCIOはわずか9%ですが、34%が今後12カ月間にジェネレーティブAIを展開すると回答しています。日本のCIOは、18%が既に展開していると回答し、44%が今後12カ月間に展開予定と回答しています。

本調査では、2024年のテクノロジへの投資先も尋ねています。世界のCIOは「サイバー/情報セキュリティ」(80%)、「データ・アナリティクス」(78%)、「クラウド・プラットフォーム」(73%) の順に投資を増やすと回答しています。一方、日本のCIOは、「クラウド・プラットフォーム」(83%)、「サイバー/情報セキュリティ」(80%)、「AI/ML (人工知能/機械学習)」(79%) を上位3つに挙げています (図1参照)。

図1. 日本企業における2024年のテクノロジへの投資

出典:Gartner (2023年11月)

さらに、本調査では、企業にとってデジタル・テクノロジへの投資から得られる最も重要な成果についても尋ねました。世界のCIOは、「卓越したカスタマー・エクスペリエンスの実現」(61%)、「営業利益の改善」(56%)、「売り上げの創出」(52%) を上位に挙げています。一方、日本のCIOは、「営業利益の改善」(66%)、「売り上げの創出」(57%)、「人的資本の有効性の向上」(48%) を上位3つに挙げており、「卓越したカスタマー・エクスペリエンスの実現」(44%) は4番目でした (図2参照)。

図2. 日本企業にとってデジタル・テクノロジへの投資から得られる最も重要な成果

出典:Gartner (2023年11月)

バイス プレジデント アナリストの藤原 恒夫は、次のように述べています。「日本のCIOは、既にデジタル・デリバリにより企業のパフォーマンスの最適化に取り組んでいますが、目的を持ってデジタル・デリバリを民主化することで、より良い成果を達成できます」

CIOは、「フランチャイズ化」を通じてビジネス・チームにデジタル機能をデリバリできるよう権限を付与し、能力を身に付けさせている

最も高い成功を収めているCIOは、デジタル化を成功させるためにCレベル幹部と共同でデジタル・デリバリのオーナーシップを持っています。また、ビジネス・チームに対し、安全で健全なデジタル機能をデリバリできるよう権限を付与し、能力を身に付けさせている一方で、デジタル・デリバリを「フランチャイズ化」しています。

本調査結果を基に、GartnerはCIOを以下の3つの異なるプロファイルに分類しています。これらは、CIOがどのようにデジタル・デリバリを加速させ、その規模を拡大するかを示します。

  • オペレーター:調査したCIOの55%は、オペレーター的なマインドセットを持っています。CIOはIT部門によるデジタル・デリバリの責任を担い、デジタル・イニシアティブのスポンサーであるビジネス部門のCレベル幹部と連携しています。
  • 探索者:調査したCIOの33%は、探索者に該当します。これらのCIOは、主なデジタル・デリバリはIT部門が担うものの、ビジネス部門もデジタル・デリバリのオーナーシップを共有すべきであると考えています。デジタル・ビジネス部門のCレベル幹部や人材をデジタル・デリバリ活動に関与させ始めています。
  • フランチャイズ提供者:調査したCIOの12%は、フランチャイズ提供者に分類されます。これらのCIOは、Cレベル幹部はデジタル・デリバリを担う対等のパートナーであるべきと考えており、Cレベル幹部と共同でデジタル・イニシアティブを主導し、実装し、統制します。デリバリの実装は、多分野にわたるフュージョン (融合) チームで協働します。

「フランチャイズ提供者」に該当するCIOは、「オペレーター」や「探索者」に該当するCIOよりも、デジタル・デリバリに対してより優れた成果をもたらす傾向にあります。具体的には、フランチャイズ・モデルを採用しているCIOの場合、全社的なデジタル・イニシアティブの63%が成果目標を達成しているか、上回っています。オペレーターにとどまっているCIOでは、デジタル・イニシアティブの成功率が43%にすぎません。さらに、フランチャイズ提供者は、経営幹部のリーダーシップ開発やデジタル・ビジネス戦略など、全般的なIT管理の取り組みにおいても極めて優れたパフォーマンスを発揮しています

藤原は次のように述べています。「現在進行中のデジタル・デリバリの民主化は、イノベーション、俊敏性、そしてデジタル・ビジネスからの早期配当を促進するための取り組みと言えます。CEOから組織のさまざまな成果をオーケストレートするよう期待されているCIOは、Cレベル幹部が主導するデジタル・イニシアティブを統合し、足並みをそろえる必要があります。CIOとCレベル幹部が共同でデジタル・デリバリのオーナーシップを持つことは、部門だけでなく、組織全体の成果を達成する上で極めて重要な要素です」

CIOとCレベル幹部は、フランチャイズ化の設計において、テクノロジ・ガバナンスの責任も共有します。フランチャイズ提供者に分類されるCIOの半数近く (47%) は、コンプライアンスとリスクに対する責任をビジネス部門と共有すべきと考えています。オペレーターに分類されるCIOでは、わずか19%です。

「共同ガバナンスのマインドセットを発達させているフランチャイズ提供者は、他のCレベル幹部と連携して、サイバーセキュリティやデータ・プライバシーの管理に取り組んでいます。これら2つの領域は、従来CIOが監視していたものです。Cレベル幹部も、ガバナンス基準策定の主な実装責任を担っているのはCIOであるものの、その基準を遵守するための説明責任については共有する必要があると認識しています」(藤原)

2024年CIO/テクノロジ・エグゼクティブ・サーベイについては、eBook「2024 CIO and Technology Executive Agenda: Franchise Digital Delivery」(英語) でご覧いただけます。
日本で提供しているサービスについては、こちらよりご参照ください。https://www.gartner.co.jp/ja/products

Gartnerが11月13日~15日に開催しているGartner IT Symposium/Xpoでは、「可能性を解き放て」をテーマに、主要な15のトピック領域における最新のテクノロジ、戦略、そしてリーダーシップに関する知見を提供し、CIOとリーダーシップ・チームにとっての最重要課題を取り上げています。コンファレンスのニュースと最新情報は、X (旧Twitter) でご覧いただけます (#GartnerSYM)。

日本のITエグゼクティブ向けのニュースや最新情報は、GartnerのXFacebookでも案内しています。より詳細な情報や知見については、ニュースルームよりご参照ください。

Gartnerについて

Gartner, Inc. (NYSE: IT) は、お客様のミッション・クリティカルな課題について、より優れた意思決定と大きな成果へと導く実行可能かつ客観的な知見を提供します。詳細については下記Webサイトでご覧いただけます。

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