バイス プレジデント アナリストの池田 武史は次のように述べています。「デジタル変革を推進するために重要なデジタル・ツイン、IoT、5G、AIなどのテクノロジの評価や採用は、2019年調査時と比べると徐々に拡大しています。また、経営陣の直下に推進部門を作るなどの体制も整えつつあります。企業や組織の未来を見据えた取り組みの推進に当たっては、テクノロジの実装が欠かせません」
IoTプラットフォームは、デジタルを実現する中核的なテクノロジの1つであり、対象となる人やモノ、システムなどの現状をデータとして収集・分析し、次のアクションに向けた意思決定や提案を行う新たな仕掛けの基盤となります。
IoTプラットフォームに続いて回答の多かった5G、エッジ・コンピューティング、センシング、カメラ画像のAI/ML (機械学習) 分析などは、IoTプラットフォームと連携し、デジタルを推進する際に採用されることが多いテクノロジです。ほかにも、省エネ化、サイバーセキュリティ対策、ロボットやドローン、ローカル5Gなど、今回の調査結果からは、企業や組織はさまざまなテクノロジに取り組んでいることが明らかとなりました。
池田は次のように述べています。「デジタルの推進は、自社および業界の従来のビジネスモデルを大きく変革していく必要があります。この取り組みは自社の都合だけでは実行できないため、ビジネス導入に苦心するユーザー企業およびベンダーも多くみられます。実際に、Gartnerへの問い合わせでも、こうした壁に直面し、ビジネス成果を短期間で得ることが難しい点についての悩みに言及する企業が少なくありません」
「デジタル変革を推進するテクノロジ・イノベーションのリーダーは、既に取り組んでいる評価/検証や実装が次のステップで自社の未来にどう貢献するのかという、グランド・デザインを明確にし、顧客やパートナーの共感を得ることが重要です。また、経営陣や組織のリーダーは、進むべき方向を指し示し、短期的な成果だけでなく、中長期的な視点での自社にとっての有益性をしっかり把握し、骨太な推進体制を確立していく戦略とリーダーシップが必要です」
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