ガートナージャパン株式会社 (本社:東京都港区、以下Gartner) は、新たな時代のセキュリティ人材の強化に向けて押さえておくべき3つのステップとアクションを発表しました。
サイバーセキュリティの人材不足を課題に挙げる組織は依然として多く見られます。サイバーセキュリティと一言で言っても中身は多種多様であり、さらに昨今では、サイバーセキュリティに閉じたスキルのみではなく、日々変化するテクノロジ、法規制、社会環境のトレンドに対応できる能力を持った人材が必要になっているため、大きなチャレンジとなっています。
バイス プレジデント アナリストの礒田 優一は次のように述べています。「セキュリティ/リスク・マネジメント (SRM) のリーダーは、最新トレンドを踏まえ、現在および未来においても活躍できるセキュリティ人材の強化・獲得に向けて、以下の3つのステップとアクションを押さえておく必要があります」
サイバーセキュリティの知識/スキル/タスクの一覧を基にギャップを分析し、どの領域をインソーシング (内製化)/アウトソーシングするかを判断する
第一歩としては、整理された知識/スキル/タスクの一覧を基に、現状とのギャップを識別することが挙げられます。米国国立標準技術研究所 (NIST)、あるいは国内では情報処理推進機構 (IPA) や関連する団体が、サイバーセキュリティの知識/スキル/タスクを一覧にして整理したドキュメントを既に公開しています。SRMリーダーはそうしたものを利用し、現状とのギャップを識別することができます。また、それらを、どの部分をインソーシング、あるいはアウトソーシングにするのかを決める場合の検討の土台とすることができます。
礒田は次のように述べています。「現在ではすべてのセキュリティ・オペレーションを人間が担当する必要はなくなっています。AIや自動化のトレンドも日々変化しているため、その点も踏まえて、自社における具体的なユースケースを特定し、一つ一つ有効性を確認しながら取り組みを進めることが肝要です」
2023年に入り大きな話題になっているChatGPTもそのトレンドの一つです。AIの進歩は目覚ましく、AIと自動化により、人間は単純作業や雑務から解放され、学習時間の創出やビジネス・テクノロジストとしての能力の強化など、個人の成長につながる機会を得られるというメリットもあります。
自社のデジタル戦略およびセキュリティのトレンドを踏まえてインソーシングで賄う領域を調整する
Gartnerが2023年2月に、日本国内の従業員300人以上の組織を対象に実施したユーザー調査でセキュリティ人材を強化する方法について尋ねたところ、既存の人材の育成、アウトソーシング、採用の順で多い傾向が見られました (図1参照)。