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プレスリリース

2023年5月18日

Gartner、世界のCEOを対象とした最新の調査結果を発表 — CEOはAIを業界に影響を及ぼす最も破壊的なテクノロジとして捉えていることが明らかに

● 約半数のCEOにとって「成長」は戦略的なビジネス優先課題のトップである
● 過半数のCEOは2023年の景気の低迷/後退の程度は浅く、短期的だと考えている
● 顧客行動を最も大きく変容させている要因はインフレと価格感度である

ガートナージャパン株式会社 (本社:東京都港区、以下Gartner) は、世界のCEOおよび上級経営幹部を対象にした最新の調査結果を発表しました。本調査では、回答したCEOの21%が、人工知能 (AI) を今後3年間で自社の業界に最も大きな影響を及ぼすテクノロジのトップに挙げました (グローバルでは2023年5月17日に発表しています)。

ディスティングイッシュト バイス プレジデント アナリストのマーク・ラスキーノ (Mark Raskino) は、次のように述べています。「ジェネレーティブAIは、ビジネスとオペレーティング・モデルに絶大な影響を及ぼすでしょう。一方、このチャンスを逃すことへの恐怖がテクノロジ市場の強力な原動力となっています。AIは、まだ投資していないCEOが、競争上重要な何かを見逃しているのではと懸念するような転換点を迎えています」

Gartnerが2022年7~12月に実施した2023年CEO/上級経営陣向けサーベイでは、世界のさまざまな業界、売上高、規模の企業に属する、400人以上のCEOおよび上級経営幹部から回答を得ました。

約半数のCEOは「成長」が戦略的なビジネス優先課題のトップであると回答

ディスティングイッシュト バイス プレジデント アナリストのクリスティン・モイヤー (Kristin Moyer) は、次のように述べています。「CEOは、ビジネス上の優先課題の判断で思い悩んでいるようですが、立ちすくんではいません。過半数のCEOは、2023年の景気の低迷/後退の程度は浅く、短期的であると考えており、今回の調査では、キャッシュフロー、財務資本、資金調達に関する懸案は小幅な増加にとどまりました」

このような経済的逆風の影響を受けながらも、約半数のCEOは、今後2年間 (2023~2024年) の戦略的なビジネス優先課題のトップに「成長」を挙げました。「テクノロジ関連」も引き続きCEOにとっての重点領域であり、これに「ワークフォース (従業員) 」が続きます (図1参照)。

図1. CEOの2023~2024年の戦略的なビジネス優先課題のトップ10 (上位3項目に挙げられた回答の内容をGartnerが分類)

出典:Gartner (2023年5月)

ラスキーノは次のように述べています。「パンデミックを機に景気が不安定になってから3年が経過し、CEOの優先課題は定着しつつあります。幹部リーダーは、危機が世界をあまねく覆うオムニクライシス期の余波の先に目を向け、人材、サステナビリティ、次世代のデジタル変革が競争力の手段となる時代を見据えています」

実際、「環境サステナビリティ」に言及した割合は、サステナビリティがCEOの優先課題の上位10項目に初めてランクインした2022年の調査よりもさらに25%多くなりました。Gartnerは、2026年までに、CEOの戦略的なビジネス優先課題として環境サステナビリティの順位はテクノロジ関連の順位より高くなると予測しています。

インフレは顧客行動の変容を推進

回答したCEOの22%は、「インフレ」をビジネス上の最大のリスク要因に挙げました。また、約4分の1は、2023年に顧客の期待を最も大きく変容させると考えられる要因として、「価格感度の上昇」を挙げています。一方、CEOの最大のインフレ対応策は依然として「値上げ (回答者の44%)」であり、次いで「コスト最適化 (36%)」「生産性/効率性/自動化の向上 (21%)」でした。

モイヤーは、次のように述べています。「インフレ時は生産性に注力する必要がありますが、現在のCEOの注力の程度がまだ低いのが気がかりです。現在の経済情勢においてインフレが長引くことはない、という希望的観測によるものかもしれません。CEOは、コスト上昇分を顧客に転嫁するのではなく、効率化を実現するために、自動化を採用して方法、プロセス、プロダクトを再設計する必要があります」

人材を引き付けて定着させることが従業員関連の最優先課題

ビジネスに及ぶさまざまなリスクの影響について尋ねたところ、CEOの26%は、組織にとって最大のリスク要因に「人材不足」を挙げました。人材を引き付けて定着させることは、CEOにとって間違いなく従業員関連の最優先課題です。従業員と内定者の行動を最も大きく変容させる要因は報酬を巡る懸念であるとCEOは予測しており、これに次いで、より柔軟な働き方やリモート/ハイブリッド・ワークへの要望が挙げられています。

ラスキーノは次のように述べています。「インフレ環境で給与が重視されるのは何ら驚くことではありません。しかし、かつての経済サイクルを考えると、失業は労働市場の力を弱めるのが普通です」

バイス プレジデント アナリストの藤原 恒夫は次のように述べています。「日本の多国籍企業は、盲点となっている地政学的リスクにも早急に取り組む必要があります。CEOの59%が、新たな枠組みのグローバル化、すなわちリグローバリゼーションが今起きていると回答しています。米国、中国、ロシアなどの超大国に囲まれた日本の企業は、今後これらの国の組織とどのように付き合っていくべきか、決断を迫られています」

Gartnerのサービスをご利用のお客様は、リサーチノート「2023 CEO Survey – The Pause and Pivot Year」で詳細をご覧いただけます。
日本で提供しているサービスについては、こちらよりご参照ください。https://www.gartner.co.jp/ja/products

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