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2022年9月14日

Gartner、データとアナリティクスのリーダーが不確実性に適応し、継続的にビジネス成果を獲得するための指針を発表

「ガートナー データ&アナリティクス サミット 2022」(9月14~16日) において、データとアナリティクスがどのように変化を推進、実現、対応するかについて解説

ガートナージャパン株式会社 (本社:東京都港区、以下Gartner) は本日、データとアナリティクス (D&A) のリーダーが、不確実性に適応するイノベーションを起こして、継続的にビジネス成果を獲得するための指針を発表しました。

本日から16日まで開催しているガートナー データ&アナリティクス サミット 2022のオープニング基調講演において、アナリストでシニア ディレクターのドナ・メデイロス (Donna Medeiros) と、ディスティングイッシュト バイス プレジデントのフランク・バウテンダイク (Frank Buytendijk) が解説しました。

バウテンダイクは次のように述べています。「不確実性が続くこの世界では、創造力に実行力を加えたイノベーションが求められています。D&Aリーダーは、自分たちのチーム内と組織全体の2つの領域でイノベーションを巻き起こすことが必要です」

D&Aリーダーは、データ、アナリティクス、意思決定のそれぞれでイノベーションを起こし、継続的にビジネス成果を獲得する必要があります。

データ:的確なデータを持っているか

この数年間、D&Aリーダーはビッグデータが必要だと考え、収集できるすべてのデータを求めてきました。しかし、必要なのは大量のデータではなく、的確なデータ、言い換えると、よりスマートなデータです。データによりビジネス成果を促進させるために、以下の3つの取り組みを進めることが重要です。1) アクティブ・メタデータ (*) によって、今あるデータを確認する、2) スモール・データの力を過小評価せず、実用最小限のデータセットを作成する、3) 作成できるデータについて考え、実データからシンセティック (合成) データ (*) を作る。

企業にとって最も価値のあるデータは、収集した実データではなく、合成したデータであることが増えつつあります。Gartnerは、2025年までに、組織は合成データを使用することで、プライバシー侵害に対して科せられる制裁の70%を回避できると予測しています。また、より迅速な対応が可能になることから、2030年までに、AIモデルにおいて、合成データが実データを完全に凌駕すると予測しています。

(*) アクティブ・メタデータ:データの有効性をリアルタイムに分析し、データの来歴をさかのぼって信用性を確かめ、ユーザーがどのようにデータを利用しているかを把握できるようにする。AIや機械学習を活用した新しいメタデータ管理の手法。

(*) 合成データ:直接取得されたデータではなく、人工的に生成されたデータ。データの生成には、実データからのサンプリングによる方法と、モデルとプロセスでやりとりをシミュレーションすることによって、完全に新規で生成する方法とがある。

アナリティクス:適当な洞察を得ているか

拡張アナリティクスはアナリティクス・ツールの一部として標準的になりつつあり、Gartnerの調査でも、82%の組織が拡張アナリティクスを既に導入済み、または2022年末までに導入予定であると回答しています。

メデイロスは次のように述べています。「アナリティクスはサイエンス (科学) であり、データの理解を深めるために絶えず新しいテクノロジが開発され、洗練されてきています。一方で、アナリティクスはアート (芸術) でもあります」

バウテンダイクは次のように補足しています。「芸術が主観的であるように、アナリティクスも主観的なものです。アナリティクスを利用するシステムでは完璧を目指して絶えず答えを改善しようとしますが、いつになれば『十分』と言えるのか、潮時を知る必要があります。つまり科学的なアプローチと芸術的なアプローチ、その両方が必要とされるのです」

意思決定:データ分析の結果を、ビジネス上の意思決定に役立てられているか

バウテンダイクは次のように述べています。「データを収集し、分析を行い、それが活用されることを願うだけではなく、意思決定の在り方にどのような影響を与えることができるかを理解することから始めなければなりません。D&Aリーダーは、意思決定者ではないかもしれませんが、意思決定者が意思決定を行うために必要なタイミングで、適切な洞察を提供できるデザイナー (設計者) になるべきです」

D&Aリーダーは、以下3つの手段を実行することで、より良い意思決定を設計できます。

  1.  適切なタイミングで洞察を提供する:洞察の獲得の自動化が進み、拡張アナリティクス・ツールの導入は従来型のレポーティング・ツールから近い将来に置き換わるでしょう。拡張アナリティクス・ツールを利用すれば、意思決定者に対して分析結果を先行的に通知したり、必要に応じて提供したりするだけでなく、分析結果を使った意思決定を促すこともできます。
  2. 自動化により意思決定を迅速化する:組織の成長と業務の効率化を目指す企業にとって、意思決定の迅速化や自動化は重要な課題となっています。意思決定に関する助言を提供して意思決定者がそれを受け入れるかどうかを決めたり、反復的で時間のかかる意思決定を自動化したりすることで、大きな成果をもたらす可能性があります。
  3. 意思決定をつなぎ合わせる:デジタル・ビジネスが一般化した今日の世界では、ビジネス・プロセスを自動的にマイニングし、意思決定のポイントをつなぎ合わせ、影響やインパクトのネットワークを構成することが可能です。これによって個々のプロセスなど小さな単位だけでなく、組織横断的なビジネス全体にとって最適な意思決定を下すことができます。

Gartnerは本日~16日に、ガートナー データ&アナリティクス サミット 2022 (会場:ANAインターコンチネンタルホテル東京) を開催しています。本サミットでは、革新的で適応力のある組織を構築する上でデータとアナリティクスのリーダーが直面する重要な課題を取り上げ、解説しています。コンファレンスのニュースと最新情報は、Twitterでご覧いただけます (#GartnerDA)。

2022年におけるデータ/アナリティクス (D&A) リーダーの優先課題については、「2022年のリーダーシップ・ビジョン:データ&アナリティクス」で詳細をご覧いただけます。
日本で提供しているサービスについては、こちらよりご参照ください。https://www.gartner.co.jp/ja/products

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