メタバースは、先日グローバルで発表した「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2022年」では黎明期に位置付けられていますが、本ハイプ・サイクルでは「過度な期待」のピーク期に位置し、日本ではグローバルよりも早い段階で過度な期待が寄せられていることを示しています。Gartnerは、メタバースを「仮想的に拡張された物理的現実とデジタル化された現実の融合によって創り出される集合的な仮想共有空間で、継続的なイマーシブ・エクスペリエンス (没入感) を提供するもの」と定義しています。デジタルや物理的現実の中で自分たちの生活を向上させ、拡張することを望む人々の存在が、メタバースの大きな推進要因となっています。
アナリストでディスティングイッシュト バイス プレジデントの亦賀 忠明は次のように述べています。「メタバースでは、VRから派生した『デジタルのリアル化』の中でアバターを超えたデジタル・ヒューマンがリアリティになりつつあります。さらに、AR、IoT、5G/6G、分散クラウド、メッシュ、振る舞いのインターネット、ソフトウェア定義型自動車 (SDV)、都市型エア・モビリティ、ジオロケーション、衛星コンステレーションといったテクノロジを融合した『リアルのデジタル化』のトレンドが進化することで、これから2030年から2040年といった長期レンジで世の中をフルデジタルかつPeople Centric (人中心) な世界に変えていくでしょう」
メタバースの注目とともに急速に注目度が上昇しているWeb3は、メタバースの中で価値や権利のやりとりを可能とする点において中核的な位置付けとなり、NFTの活用機会などをもたらす新たなプラットフォームと位置付けられています。Web3によって、インターネット規模で非中央集権型の取引/やりとりを自由に進められる仕組みが広がれば、中央集権型を取る現在の社会が大きく変わる可能性があります。
Web3プロジェクトの重要なガバナンスの仕組みである自律分散型組織 (DAO) は、人、マシン、企業、他のDAOとビジネス上のやりとりを行う、ブロックチェーン上で自律的に動作するデジタルの集合体です。既存の組織の運営法に影響を及ぼす可能性があるため、極めて重要であり、日本でも期待が高まっています。
次世代のE/E (電気/電子) アーキテクチャであるソフトウェア定義型自動車 (SDV) は、コンセプトだけでなく具体的なテクノロジを伴ったアーキテクチャや実装、オペレーションの総合的な議論と実践を支える重要なキーワードです。ハードウェア中心のものであった自動車は、ソフトウェアで定義されたサービス・デリバリのためのシステムへと変えることを意味します。
亦賀は次のように述べています。「現代のテクノロジは、業務システム、ビジネス、企業、産業、社会、ライフスタイル、ワークスタイルを大きく変えるスーパーパワーとしての力を持っています。すべての企業は、本ハイプ・サイクルの個々のテクノロジはもとより、それらを融合した際の破壊的なインパクトと、2030年に自分たちの業界がどうなるかについての洞察の獲得を加速する必要があります」
Gartnerのハイプ・サイクルは、イノベーションが過度にもてはやされる期間を経て幻滅期を迎え、最終的には市場や分野でその重要性や役割が理解され進化する共通のパターンを描いたものです。CIOやITリーダーをはじめとした企業の担当者が、イノベーションの成熟度と今後の可能性を追跡する支援となるよう、さまざまな領域に関する100本以上のハイプ・サイクルを世界で毎年発行しています
Gartnerのサービスをご利用のお客様は、リサーチノート「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2022年」で詳細をご覧いただけます。
日本で提供しているサービスについては、こちらよりご参照ください。https://www.gartner.co.jp/ja/products
Gartnerは来る9月14~16日に「ガートナー データ&アナリティクス サミット」、10月31日~11月2日に「Gartner IT Symposium/Xpo」、12月13~14日に「ガートナー ITインフラストラクチャ、オペレーション&クラウド戦略コンファレンス」を対面式で開催します。CIOとITエグゼクティブは、組織を次のレベルへと引き上げるために押さえておくべき将来の方向性、成功に向けた戦略、重要な実行策などの知見を得られます。本プレスリリースに関連した最新テクノロジやトレンドについては、各コンファレンスで国内外のエキスパートが解説します。コンファレンスのニュースや最新情報はTwitterでご覧いただけます。
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