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2022年3月7日

Gartner、日本におけるテクノロジ人材の強化に関する展望を発表-テクノロジ人材の戦略的底上げが企業や組織の存亡を大きく左右する要因に

2025年までに、日本企業のIT部門の管理職の70%は、クラウド、AI、アナリティクス関連の認定資格を積極的に取得するようになる

ガートナージャパン株式会社 (本社:東京都港区、以下Gartner) は、日本におけるテクノロジ人材の強化に関する展望を発表しました。これから2030年に向けて、テクノロジを扱うことのできる「人材」が存在するかどうかが、企業や組織の存亡を大きく左右するため、日本企業はテクノロジを「自分で運転」する人材の確保と管理職をも対象とした「人材投資」を加速する必要があります。

時代は大きな転換点にあります。新型コロナウイルス感染症の流行が継続し、地政学的な影響も不透明さをさらに増しつつあります。自動車産業では、業界そのものが100年に一度の大きな変革期を迎えており、2030年には業界構造がかつてない変化を遂げることが予想されます。小売業も大きな転換点を迎えています。デジタルの流れに追随できない企業はこれから存亡の危機を迎える可能性があります。アナリストでディスティングイッシュト バイス プレジデントの亦賀 忠明は次のように述べています。「大きな変化は自動車産業や小売業に限ったことではありません。今後はすべての産業が、歴史的転換を余儀なくされます。これからはメタバースに代表されるフルデジタルの世界がリアリティになるため、単にIT化を言い換えたデジタル・トランスフォーメーション (DX) ではなく、真のビジネス・トランスフォーメーションが推進されるようになります」

このような状況において、IT人材不足は年々深刻化しており、日本では特に大きな課題になっています。少ないパイを奪いあう外からの人材確保だけではなく、企業は新しい時代をリードし、テクノロジを駆使してアクションを起こせる人材を戦略的に増やしていく必要があります。

現在、そうした課題に対応すべく、日本でも内製化のトレンドが進行中です。実際、現場におけるクラウド、AI、アナリティクスのスキル獲得は着実に進みつつあります。一方、管理職についての課題が顕在化してきています。

亦賀は次のように述べています。「クラウド、AI、アナリティクスなどを管理職が正しく理解していないことによる問題が深刻なものになりつつあります。具体的には、管理職が新しいテクノロジを誤解し続ける、管理職に説明するのに相当な手間や時間がかかる、管理職が現場での活動を理解・評価できない、デジタルに関する取り組みを適切にリードできない、といったさまざまな状況が多くの箇所で生じています。すなわち、多くの企業や組織において、深刻な機能不全が見られるようになってきています。よって、今後は、管理職も、クラウド、AI、アナリティクスなどの新たなテクノロジに関するリテラシーが必須となります」

かつてない大変化にあっては、会社、組織、メンバーの将来を大きく左右する役割を担っている管理職等のリーダーにこそ日々の学びが不可欠なものとなります。テクノロジは日々進化、多様化・複雑化しているため、過去の経験やマインドセットは必ずしも通用しません。リーダーは変化への対応を「自分事」として捉え、日々の発見や体験から学び、楽しみながらメンバーと共に高みを目指すことが求められます。

管理職に対してスキルや経験値を高める施策を進めている、また管理職にそうしたスキルや経験値を求める企業も出始めています。このトレンドは今後さらに機運が増し、2025年までに、日本企業のIT部門の管理職の70%は、クラウド、AI、アナリティクス関連の認定資格を積極的に取得するようになるとGartnerは予測しています。

新たなスキルを身に付けるためのハードルが低くなっていることも、こうしたトレンドの追い風となっています。実際、クラウド、AI、アナリティクスといったテクノロジの領域では、無償、あるいは安価なオープンソースやクラウド・サービス、書籍、ツール、オンライン講座などが充実してきています。今では、一人数千円の投資でクラウドやAIに関する初期のスキルを獲得することが可能になっています。

すでにクラウドは当たり前のものとなっています。また、今後、AIも特殊なものではなく、表計算ソフトのように誰もが使うものになると予想されます。その結果、2025年までに、日本企業の30%は、AIスキルの全社的な向上に着手し、現場の従業員が表計算ソフトのようにAIを使えるようになると予測しています。AIを使いこなせる人や組織、企業は時代をリードし、新たなビジネス・インパクトをもたらすことができる存在になるでしょう。

亦賀は次のように述べています。「クラウド、AI、アナリティクスへのスキル、リテラシーの獲得は段階的に取り組みを進める必要があります。一気に完璧なスキルを獲得することは難しく、これは、3年、5年、10年といった中長期的な取り組みになるため、それは、企業戦略として進めることが求められます。そうした戦略のもとで長期的に人材投資に取り組む企業と、そうでない企業では、2030年頃には、江戸時代と明治時代ほどの差が生まれることになるでしょう。すなわち、前者は2030年以降の新たな時代をサバイブできる可能性が高まりますが、後者は、時代変化に取り残され、企業そのものの存続リスクが高まるでしょう。よって、すべての企業は新たな時代に生き残るための人材投資を直ちに開始する必要があります」

Gartnerのサービスをご利用のお客様は、リサーチノート「2022年の展望:テクノロジ人材を強化する」で詳細をご覧いただけます。

日本で提供しているサービスについては、こちらよりご参照ください。https://www.gartner.co.jp/ja/products

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