2021年版の本ハイプ・サイクルでは、「NFT (非代替性トークン)」「スマート・ワークスペース」「IoTエッジ・アナリシス」などが「過度な期待」のピーク期に位置付けられています。今回新たに追加したテクノロジやコンセプトには、「人間中心のAI」「人間中心のデザイン」「イマーシブ・エクスペリエンス」「デジタル倫理」など、人を中心としたデジタル化の考え方に関わる重要項目が含まれており、一方で新たなテクノロジ「6G」や「振る舞いのインターネット」「トランスフォーマー (NLP)」なども登場しています。デジタル化のトレンドは日本でも加速していますが、これは単にテクノロジの追求を意味するのではありません。テクノロジに対し、今まで以上に「人」を中心に据えた (「People-Centric」な) 考え方や使い方をすべきです。他方で、テクノロジの動きは速く、油断するとトレンドに置いて行かれる状況が継続しているため、注意が必要です。
2020年版の本ハイプ・サイクルでは、「ブロックチェーン」と「人工知能」が幻滅期の谷に向かっていましたが、2021年版では前者は谷底近くまでポジションを進め、後者は本格的な普及期に入りました。また、2020年版で黎明期の上昇フェーズに位置付けられていた「汎用人工知能」は、2021年版でも黎明期にとどまっています。
鈴木は次のように述べています。「本ハイプ・サイクルに含まれるテクノロジ/コンセプトの導入に際しては、その目的や最適なタイミングが企業によって異なることに注意すべきです。イノベーターやアーリー・アダプターは、新しいテクノロジを早期に試験導入し、自ら経験を積みながら成果を速やかに生み出そうとしています。デジタル・ビジネスの時代においては、ユーザー企業であっても自らテクノロジを『運転』する (自分たちで駆使する) ことで、競争をリードする必要があると留意すべきです」
Gartnerのサービスをご利用のお客様は、リサーチノート「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2021年」で詳細をご覧いただけます。ハイプ・サイクルについてはリサーチノート「Gartnerのハイプ・サイクルを理解する」でも解説しています。
日本で提供しているサービスについては、こちらよりご参照ください。https://www.gartner.co.jp/ja/products
Gartnerは来る11月16~18日に、「Gartner IT Symposium/Xpo 2021」をバーチャル (オンライン) で開催します。Gartner IT Symposium/Xpo 2021では、CIOがどのように逆境に対処するか、また事業を継続していくためのデジタル・ビジネス戦略立案ツール/テクニックをどのように見つけていくかについて、さらなる分析を紹介します。ITエグゼクティブは、本コンファレンスに参加することにより、ビジネス課題の解決とオペレーションの効率化を目的としたIT活用法についての知見を得られます。本プレスリリースに関連した最新テクノロジやトレンドについては、テクノロジ・イノベーションのトラックの講演を中心に解説します。コンファレンスのニュースや最新情報は、Twitter (#GartnerSYM) でもご覧いただけます。