日本では少子高齢化が進む一方であり、人口増加を前提とした経済モデルはもはや成り立たなくなっています。また、労働人口の減少に伴い、生産性の低下が懸念されています。
川辺は次のように述べています。「日本国内における経済活動は、少子高齢化に対処すべく労働者当たりの生産性を向上させる必要がありますが、そのためにはまず課題となっている従業員、顧客、および非効率な業務への取り組みを見直すことが重要です。これを踏まえ、変化の激しい状況下で厳しい競争を勝ち抜くために、CIOやITリーダーにはいっそうの期待が寄せられています。なぜなら、デジタル・テクノロジの普及や進展が目覚ましく、今後はこれを活用した形で『エクスペリエンス』のような目に見えにくいものを付加価値として捉え、変化に柔軟に対応できる『コンポーザブル』な形式でそれを実装・提供していく方向性になると考えられるからです。例えば、改善すべき従業員や顧客への対処には、彼らを取り巻く『エクスペリエンス』が鍵を握るわけですが、中には非効率なユーザー・インタフェース (UI) が相当数見受けられます。また、モバイルをはじめ、普及するさまざまなデバイスの間では、提供すべきコンテンツやメッセージの一貫性を保つ必要があります。つまり、これらのエクスペリエンスのすべてをトータルで管理する『トータル・エクスペリエンス (TX) (*)』が不可欠になっています。そのようにして生み出される付加価値は、ターゲットとなる顧客や関係者に適切なタイミングで効果的に提供されることが重要です。そのためにはアジリティを重視し、リアルタイムにスケールできるような考え方、アーキテクチャ、テクノロジを備えた『コンポーザブル・ビジネス (**)』を推進する必要があります」
(*) トータル・エクスペリエンス (TX: Total Experience):マルチエクスペリエンス (MX)、カスタマー・エクスペリエンス (CX)、従業員エクスペリエンス (EX)、ユーザー・エクスペリエンス (UX) の4つのエクスペリエンスを相互に連携させる戦略。
(**) コンポーザブル・ビジネス:不確実性に直面したときに、リアルタイムで柔軟性と適応性、回復力を備えた組織を構築することができるという考えに基づくもので、「コンポーザブル・シンキング」「コンポーザブル・ビジネス・アーキテクチャ」「コンポーザブル・テクノロジ」の3つの構成要素から成る。それらは、「モジュール化」「オーケストレーション」「自律性」「発見」という4つのデザイン原則に従い、アジリティをもたらすことを最重視する。
Gartnerは来る11月16~18日に、「Gartner IT Symposium/Xpo 2021」をバーチャル (オンライン) で開催します。Gartner IT Symposium/Xpo 2021では、CIOがどのように逆境に対処するか、また事業を継続していくためのデジタル・ビジネス戦略立案ツール/テクニックをどのように見つけていくかについて、さらなる分析を紹介します。ITエグゼクティブは、本コンファレンスに参加することにより、ビジネス課題の解決とオペレーションの効率化を目的としたIT活用法についての知見を得ることができます。本プレスリリースに関連した内容は、前出の川辺が「今こそ見直せ – ITが生み出すビジネス価値」(11月16日、14:25~14:55) と題した講演で解説します。カスタマー・エクスペリエンスなどのエクスペリエンスについては、国内外のエキスパートによる講演を予定しています。コンファレンスのニュースや最新情報は、Twitter (#GartnerSYM) でもご覧いただけます。
Gartnerのサービスをご利用のお客様は、リサーチノート「2021年の戦略的テクノロジのトップ・トレンド:トータル・エクスペリエンス」および「コンポーザブル・ビジネス・アーキテクチャとは何か」で関連する内容をご覧いただけます。
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