ガートナージャパン株式会社 (本社:東京都港区、以下ガートナー) は、日本企業の市民開発に関する実態調査の結果を発表しました。ユーザー部門の回答者の60%超が、エンドユーザーで開発したアプリケーションがあると回答し、市民開発の普及が進んでいる現状が明らかになりました。
市民開発の普及とその背景
本調査は2021年2月、日本の企業内個人を対象に、日本企業におけるエンドユーザーによるアプリケーション開発 (市民開発) の現状を把握する目的で実施したものです。ユーザー部門に所属する個人に対し、市民開発の実施状況を尋ねたところ、「エンドユーザーが開発したアプリケーションがある」と回答した割合は62%に上りました。一方、IT部門に所属する個人の回答でも、約37%がエンドユーザーによる市民開発を認識しており、広義の市民開発の普及が進んでいる現状がうかがえます。
アナリストでシニア ディレクターの片山 治利は次のように述べています。「日本企業における市民開発はかなり浸透しているといえます。IT部門よりユーザー部門の認識する割合が大きいことは、IT部門が関与していない市民開発が相当程度存在することを示唆しています」
エンドユーザーが自ら開発する理由について複数回答で尋ねたところ、「自分たちで開発できる (IT部門に頼むほどではない)」(62.2%)、「自分たちの要求、要件の内容に沿ったものができる」(54.6%)、「自分たちで開発した方が早い (時間短縮)」(52.1%) が、回答の上位3項目に挙げられました (図1参照)。