米国コネチカット州スタンフォード発、2021年5月4日 - Gartner, Inc. (以下Gartner) は、絶えず変化する世界でデータとアナリティクス (D&A) のリーダーが注力すべきアクションとして、「組織内で変化の担い手を見つける」「適応力のあるシステムを構築する」「意思決定の在り方を見直す」の3つがあるとの見解を発表しました。
バイス プレジデントのガレス・ハーシェル (Gareth Herschel) は次のように述べています。「変化への対応力が高い組織となるために、D&Aの活用は不可欠です。2020年に世界を襲った混乱から回復する上で、D&Aは、ビジネスモデルの変革やリソース配分の最適化だけでなく、従業員や顧客をはじめとするステークホルダーの新たな関係づくりにも大いに役立つでしょう」
Gartnerのアナリストは北米、中南米でバーチャル開催された「Gartner Data & Analytics Summit 2021」(5月4~6日) のオープニング基調講演において、こうした見解について発表しました。
変化の担い手を見つける
組織全体で持続的な変化を推進するために、D&Aの実務担当者はまず、変化への要望を表明しているビジネス・リーダーを特定する必要があります。
これにより、実務担当者はそうした変化の担い手と協力して、「組織のアナリティクス能力」と「目指すビジネス成果」の関連性を示す共通のビジョンを策定できます。D&Aリーダーは、売り上げ、コスト、リスク、イノベーションの観点で話をすることで、「組織のアナリティクス能力」と「目指すビジネス成果」を関連付け、データが企業価値を生み出す未来へとビジネス・リーダーを奮起させることができます。
ハーシェルは次のように述べています。「実際のところ、D&Aの実務担当者は、単独では何もできません。変化を推進するには、テクノロジだけでは不十分であり、人とプロセスが不可欠なのです」
適応力のあるシステムを構築する
大きな変化の中でビジネスを成功させるには、テクノロジの成熟がますます重要になります。D&Aリーダーは、現時点のみならず、将来にわたって価値をもたらすよう進化するシステムへの投資を優先する必要があります。
Gartnerは、組織が無理なく変化に適用するのを助けるテクノロジとして、以下の4つを挙げています。
- データ・ファブリック:データ統合を補助および自動化する
- グラフ・テクノロジ:データ間の複雑なつながりを特定し、理解できるようにする
- 敵対的生成ネットワーク:シミュレーションを用いて、プロセスの改善点を明確にする
- GPT-3:深層学習を用いた言語処理モデルで、自然なテキストを生成する
ハーシェルは次のように述べています。「絶えず変化する世界に対応するために、テクノロジを活用して、適応力のあるシステムを構築することが重要です」
意思決定の在り方を見直す
Gartnerの最新の調査において、意思決定を下す上で最初に取るアプローチはデータを利用することであると回答した人は半数未満でした。D&Aリーダーは、意思決定の在り方を見直すことで、D&Aがもたらす影響を組織全体に広げ、組織におけるどの意思決定においてもデータが一翼を担うようにすることができます。具体的には、以下のように見直します。
- プロジェクト計画や予算要求など、意思決定を行う正式なプロセスにデータ分析で得られる洞察を活用する余地を探す
- イニシアティブが成功または失敗する理由について仮説を立て、その仮説の妥当性を裏付けるデータを調べる
- 組織内で影響力のある人物に対して、チームで使用可能なデータ・ポイントや可視化機能を提供し、データ活用を働き掛ける
- データの成功事例を組織全体で広く共有し、データ・ドリブンな組織文化を推進する。
ハーシェルは次のように述べています。「データを使用するよう口頭で促すだけで、もしくはアナリティクス・システムを構築するだけで、人々がそれらを活用してくれると期待していてはなりません。D&Aのリーダーは、データやアナリティクスの活用が習慣化するまで、人々の考え方を変える機会を探る必要があります」
データとアナリティクスを活用して意思決定の在り方を見直す方法については、Gartnerが無料で提供している電子書籍「The Future of Decisions」(英語) で詳細をご確認いただけます。
ガートナーのサービスについては、こちらよりご参照ください。https://www.gartner.co.jp/ja/products
日本語によるニュースや最新情報は、ガートナーのTwitterでもご覧いただけます。
Gartner Data & Analytics Summit
Gartner Data & Analytics Summitでは、データとアナリティクスの戦略をビジネス成果に結び付け、人工知能などのテクノロジの導入を促進する方法について考察します。本サミットは、バーチャルにて北米、中南米 (5月4~6日)、欧州・中東・アフリカ (5月18~20日)、APAC (6月8~9日)、インド (6月23~24日)、日本 (7月12~13日) で開催します。本プレスリリースに関連した内容は、日本では前出のハーシェルが「学びを継続せよ―データ/アナリティクスを成功に導く鍵は何か」(7月12日、10:00~10:30) で解説します。コンファレンスのニュースと最新情報は、Twitterでご覧いただけます (#GartnerDA)。
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【海外発プレスリリース】
本資料は、Gartnerが海外で発信したプレスリリースを一部編集して、和訳したものです。本資料の原文を含めGartnerが英文で発表したリリースは、以下よりご覧いただけます。
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