米国コネチカット州スタンフォード発、2021年2月9日 — Gartner, Inc. (以下Gartner) は、2020年の主要電子機器メーカーによる半導体消費に関する調査結果 (速報値) を発表しました。2020年は、世界の半導体消費全体の11.9%を占めたAppleが、2019年に続き半導体購入企業のトップになりました。
2020年における上位10社の主要電子機器メーカーの半導体消費は前年比10%増となり、市場全体でのシェアは2019年の40.9%から42.0%へ拡大しました。上位10社は、顔ぶれも順位も2019年と同じでした。
アナリストでディレクターの山地 正恒は次のように述べています。「主要電子機器メーカーによる2020年の半導体消費に影響を与えた要因は2つ挙げられます。新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) のパンデミックと米中の政治的紛争です。パンデミックの影響から5Gスマートフォンの需要が低迷し、自動車生産も落ち込みました。その一方で、モバイルPCやビデオゲームに対する需要とクラウド・データセンターへの投資が半導体消費を牽引しました。さらに2020年は、メモリ価格の上昇により、年間を通じてメモリ・チップへの支出が増加しました」
2020年、Huaweiの半導体消費は大幅に減少し、前年比23.5%減となりました (表1参照)。山地は次のように述べています。「米国政府は2020年にHuaweiに対する輸出管理を強化し、半導体の購入を制限しました。これにより、Huaweiのスマートフォンの供給が縮小し、市場シェアは低下しました。2020年後半には、Huaweiのスマートフォン・シェアの減少分を、ほかの中国系スマートフォン・メーカーが代わりに獲得しました。半導体ベンダーにとって中国市場が引き続き重要な市場であることに変わりはありません」