米国コネチカット州スタンフォード発 - 2020年8月18日 — ガートナーは本日、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2020年」を発表しました。本ハイプ・サイクルで取り上げた注目すべき30の先進テクノロジには、コンポーザブル・エンタプライズを実現するもの、テクノロジに対する社会の信頼回復を目指すもの、人間の脳の状態を変化させるものが含まれています。
アナリストでバイス プレジデントのブライアン・バーク (Brian Burke) は、次のように述べています。「先進テクノロジとは本質的に破壊的なものであり、それらがもたらす競争力は、まだよく知られていないか、市場で証明されていません。ほとんどのテクノロジは、『生産性の安定期』に達するまでに5~10年以上かかるでしょう。しかし、本ハイプ・サイクルで取り上げたテクノロジの中には短期間で成熟するものもあるため、テクノロジ・イノベーションのリーダーは、特にその影響が革新的あるいは多大なものについて、先進テクノロジの機会を把握する必要があります」
例えば、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) のパンデミックに関連するヘルス・パスポートとソーシャル・ディスタンシング・テクノロジはいずれも、ハイプ・サイクル上を急速に推移し、多大な影響をもたらしています。ソーシャル・ディスタンシング・テクノロジの位置付けられている地点 (すなわち、「過度な期待」のピーク期) からハイプ・サイクルに初登場するテクノロジの例はほとんどありません。しかし、本テクノロジは主にプライバシー上の懸念から、メディアで大きな注目を集めています。また、市場への浸透度が対象ユーザーの5~20%のテクノロジが「先進テクノロジのハイプ・サイクル」に取り上げられる例もめったにないため、ヘルス・パスポートも例外的なケースです。本テクノロジは中国 (Health Code) とインド (Aarogya Setu) で公共の場所や交通機関を利用するために必須であることから、こうした国では何億もの人々に利用されています。いずれのテクノロジも、2年未満で生産性の安定期に達するものと見込まれます。
「先進テクノロジのハイプ・サイクル」は数あるハイプ・サイクルの中でも独特のものです。1,700を超えるテクノロジを分析した上で知見を抽出し、2020年版では30の先進テクノロジおよび5つのトレンドとして簡潔にまとめ、提示しています。本ハイプ・サイクルでは、今後5~10年にわたり、高度な競争優位性をもたらす可能性が高い一連のテクノロジにとりわけ注目しています (図1参照)。