5つの先進テクノロジ・トレンド
センシングとモビリティ
センサ・テクノロジとAIの融合によって、マシンが周辺環境を認識する能力は高まりつつあり、モノの移動と操作を可能にしています。センシング・テクノロジは、IoT (モノのインターネット) の中核を担うコンポーネントの1つであり、膨大な量のデータを収集します。インテリジェンスを活用することで、さまざまな知見を獲得する能力が実現し、多くのシナリオにこうした知見を適用できます。
例えば、今後10年間で、AR (拡張現実) クラウドは世界の3Dマップを生成するでしょう。これによって、新しいインタラクション・モデルのほか、物理的な空間から収益を生み出す新たなビジネスモデルが実現すると予測されます。
センシング/モビリティ機能の活用を目指す企業は、3Dセンシング・カメラ、ARクラウド、軽貨物配送ドローン、自律型航空機/空飛ぶ車、自律走行 (レベル4/5) を検討すべきです。
オーグメンテッド・ヒューマン
オーグメンテッド・ヒューマンの進化は、認識能力/身体能力を向上させる機能の開発を可能にし、こうした機能は人間の身体に不可欠な要素となります。その一例が超人的な能力の提供であり、人間本来の能力を上回る特性を備えた人工装具が製造されています。
オーグメンテッド・ヒューマンにフォーカスした先進テクノロジの例としては、バイオチップ、パーソニフィケーション、拡張インテリジェンス、感情AI、イマーシブ・ワークスペース、バイオテクノロジ:培養組織や人工組織が挙げられます。
ポストクラシカルなコンピューティングとコミュニケーション
数十年にわたって、コンピューティング、コミュニケーション、インテグレーションの古典的なコア・テクノロジは、主に従来型アーキテクチャの改良 (ムーアの法則で予測された、CPUの高速化、メモリの高密度化、スループットの増大) によって大きな進歩を遂げてきました。一方、次世代テクノロジでは、まったく新しいアーキテクチャが採用されています。このカテゴリには、これまでとは完全に異なるアプローチだけでなく段階的な改善も含まれ、そうした改善は劇的な影響をもたらす可能性があります。
例えば、低軌道衛星システムは、低遅延のインターネット接続を全世界に提供できます。低軌道の小型衛星コンステレーションは、現在インターネットに接続されていない住居の48%が接続できるようにし、インターネット接続が提供されていない国や地域に経済成長の新たな機会をもたらします。前出のバークは、次のように述べています。「現在稼働している衛星の数はわずかであり、まだ初期段階にあるテクノロジではありますが、今後数年で大きな社会的および商業的な影響を及ぼす可能性を秘めています」
企業は、5G、次世代メモリ、低軌道衛星システム、ナノスケール3Dプリンティングといったテクノロジを評価すべきです。
デジタル・エコシステム
デジタル・エコシステムは、デジタル・プラットフォームを共有する行為者 (企業、人、モノ) で構成される、互いに依存するグループを活用して、相互に有益な目的を達成します。デジタル化は、従来のバリューチェーンの破壊を促し、より強力かつ柔軟でレジリエンスの高い価値提供ネットワークを生み出します。そうしたネットワークは、絶えず変化して、改良された新しいプロダクトやサービスを創出します。
検討すべき重要なテクノロジの例としては、DigitalOps、ナレッジ・グラフ、合成データ、非中央集権型Web、非中央集権型自律組織が挙げられます。
高度なAI/アナリティクス
高度なアナリティクスは、洗練された手法とツールを使ってデータやコンテンツを自律的または半自律的に検証する機能を備えており、従来のビジネス・インテリジェンス (BI) よりも一般に優れています。
バークは、次のように説明しています。「エッジAIは、遅延の影響を受けやすいアプリケーション (自律的ナビゲーションなど) のほか、ネットワーク障害が発生しやすいアプリケーション (リモート・モニタリング、自然言語処理 [NLP]、顔認識など)、データ集約型のアプリケーション (ビデオ・アナリティクスなど) での採用が進んでいます」
注目すべきテクノロジの例としては、アダプティブな機械学習、エッジAI、エッジ・アナリティクス、説明可能なAI、AI PaaS (サービスとしてのAIプラットフォーム)、転移学習、敵対的生成ネットワーク、グラフ分析が挙げられます。
2019年版の「先進テクノロジのハイプ・サイクル」では方針を見直し、過去の同ハイプ・サイクルでは取り上げていなかった最新テクノロジを紹介することに注力しました。このため、2018年版に掲載されたテクノロジのほとんどが2019年版では除外されていますが、そうしたテクノロジが引き続き重要であることに変わりはありません。
ガートナーのサービスをご利用のお客様は、ガートナー・レポート「Hype Cycle for Emerging Technologies, 2019」で詳細をご覧いただけます。同リサーチノートは、ガートナーのスペシャル・レポート 「Hype Cycles: Five Priorities Shape the Further Evolution of Digital Innovation」に収められています。このスペシャル・レポートは、新たなビジネスモデルおよびオペレーティング・モデルの創出につながる機会の特定を支援するものです。
ガートナーのサービスについては、こちらよりご参照ください。
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CIOをはじめとするITリーダーが一堂に会する世界で最も重要なコンファレンス「Gartner IT Symposium/Xpo 2019」では、先進テクノロジに関するさらなる分析を紹介いたします。ITリーダーは、本コンファレンスに参加することにより、ビジネス課題の解決とオペレーションの効率化を目的としたIT活用法についての知見を得られます。コンファレンスのニュースと最新情報は、ツイッターでご覧いただけます (#GartnerSYM)。
「Gartner IT Symposium/Xpo」の開催日時と場所は以下のとおりです。
2019年9月16~18日:南アフリカ、ケープタウン
2019年10月20~24日:米国、フロリダ州オーランド
2019年10月28~31日:豪州、ゴールドコースト
2019年10月28~31日:ブラジル、サンパウロ
2019年11月3~7日:スペイン、バルセロナ
2019年11月11~14日:インド、ゴア
2019年11月12~14日:日本、東京
日本では、来る11月12~14日に「Gartner IT Symposium/Xpo」をグランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール (港区高輪) にて開催します。日本でのニュースや最新情報は、ガートナーのTwitterでもご覧いただけます。
【海外発プレスリリース】
本資料は、ガートナーが海外で発信したプレスリリースを一部編集して、和訳したものです。
本資料の原文を含めガートナーが英文で発表したリリースは、以下よりご覧いただけます。
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