ガートナージャパン株式会社 (本社:東京都港区、以下 ガートナー) は、世界中の最高データ責任者 (CDO) や最高アナリティクス責任者 (CAO) などの上級データ/アナリティクス・リーダー257人を対象に2018年9~12月にかけて実施した第4回CDOサーベイの結果を発表しました。
大抵のCDOとデータ/アナリティクス (DA) チームは、多種多様な課題に適切な優先順位を付けているものの、バランス良く取り組むことに苦労している様子が浮き彫りになりました。データとアナリティクスを活用して成功を収めるには、情報の価値を測定し、先進テクノロジを取り入れ、戦略的にチームをリードしなくてはなりません。
自社のデータ資産の価値を財務的に評価しているCDOは8%にとどまる
本サーベイで、自社の情報やデータ資産の価値をどの程度客観的に評価・測定しているかを尋ねたところ、「財務的に測定している」と答えたCDOはわずか8%でした。一方、「ビジネス・プロセスに対する情報やデータ資産の主な影響を、主要パフォーマンス指標 (KPI) を設定して測定している」と回答したCDOは29%、「正確性、完全性、規模、活用状況など、データ品質に関する何らかの指標を設定している」と回答したCDOは45%存在しました。また、19%は「客観的に測定していない」と回答しています。
ガートナーのアナリストでディスティングイッシュト バイス プレジデントのデブラ・ローガン (Debra Logan) は、次のように述べています。「情報価値の測定では、データ品質に着目する傾向があります。調査対象となったCDOの5分の1近くが情報資産の価値を客観的に測定していない状況に、改善の余地があることは明らかです。重要な情報やデータ資産の財務的価値、またはビジネス・プロセスへの影響を測定している回答者は、そうでない回答者に比べ、DAチームが優れたパフォーマンスを発揮していると報告するケースが2倍近く多くなっています。組織はこの事実を認識する必要があります」
DAプログラムにおいて基本的な活動の成熟度には、ばらつきが見られる
本サーベイでは、DAプログラムの中でも3つの基本的要素である「企業情報管理」「ビジネス・インテリジェンス (BI)/アナリティクス」「マスタ・データ管理 (MDM)」の成熟度について、5段階で自己評価するよう依頼しました。その結果、成熟度をレベル3以上とした回答は、BI/アナリティクスで75%、企業情報管理で66%、MDMでは50%となり、MDMの成熟度に関する自己評価が相対的に低い結果になりました。
一方、DAチームに対するビジネス上の期待事項について、3つまでの複数回答で尋ねたところ、「データの品質、信頼性、アクセス性の改善」が55%で最多となり、「分析に基づく意思決定の促進」、「ビジネス変革または製品変革の推進」がこれに続く結果となりました。