同調査において、利用中のBIツールに対する不満を最大3つまで選択可能とした設問では、「ツールの使い方が難しい、使いこなせない」という回答の割合が37%と最も多く、次に「パフォーマンスが低い、処理に時間がかかる」(27%)、「導入の有用性あるいは費用対効果を検証するのが困難」(22%) が続く結果となりました。
最近では、グラフィカルなインタフェースを用い、直観的に利用可能であることを売りにしているツールも数多くありますが、そのようなツールであっても、一部のパワー・ユーザー以外にはハードルが高いという声を、ガートナーでは耳にしています。今回の結果でも、そうした声がBIツールに対する不満として最も多かったことから、利用する上でハードルが高いと感じているユーザーが多数いるのは確かです。一方で、「提供される機能が足りない」「提供されるグラフなどビジュアルの種類が足りない」と回答したユーザーもそれぞれ20%程度いました。利用しているツールの種類やバージョン、ユーザーのデータ・リテラシーによっては、物足りなさを感じているケースも少なからずあり、現在ユーザーが利用しているBIツールの機能とユーザーのデータ・リテラシーのマッチング状況にもばらつきがあることが浮き彫りになりました。
今回の調査結果について、マネージング バイス プレジデントの堀内 秀明は次のように述べています。
「企業単位で見れば、BIツールはかなり浸透したと言えますが、企業内の個人に着目すると、BIツールの浸透はいまだ道半ばであると言えます。さらに、BIツールを利用している個人においても、利用頻度やデータ・リテラシーなどは、まちまちです。BI環境の改善を検討している場合、現在利用しているツールのタイプ、主なユーザーと不満の有無、ユーザーの積極性、ユーザーのデータ・リテラシー、BIサポートの状況などを個別に確認し、自社環境に最適な一手を見極める必要があることが、本調査の結果からも読み取れます」
ガートナーは来る6月10~12日、東京コンファレンスセンター・品川 (東京都港区) において「ガートナー データ & アナリティクス サミット 2019」を開催します。本サミットでは、「不確実な時代だからこそ、明確な目標を掲げてリードせよ」をテーマに、データとアナリティクスの活用レベルを引き上げ、不確実な環境の中でも目的を見失うことなく、デジタル経済における競争に勝利するための戦略や方式を提示します。本リリースに関連した内容は、前出の堀内が「BI環境の改善を、今どう進めればよいか」(12日 11:15~12:00) で解説します。
本サミットの詳細については下記Webサイトをご覧ください。
https://gartner-em.jp/data/
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調査手法
本調査は、日本国内 (主に首都圏、大阪圏、名古屋圏) で働くビジネス・ワーカーを対象とし、本人の承諾を得た上で特定のパネリストに対してWeb上で実施したものです。今回分析の対象としたアンケートの調査期間は2019年3月5日~19日です。また、Webフォームでの回答の全返信数 (有効回答者数) は441件で、所属企業の従業員数規模による内訳は、従業員数2,000人以上:249件、1,000~1,999人:64件、300~999人:74件、300人未満:52件、無回答2件でした。
ガートナーのサービスをご利用のお客様は、ガートナー・レポート「サーベイ・アナリシス:企業におけるBIツールの導入状況とその利用実態」(DMCSDMSSDMLT-JA-DP-1905) にて詳細をご覧いただけます。