Newsroom

プレスリリース

2019年4月11日

ガートナー、国内企業のブロックチェーンに関する意識調査の結果を発表

ビジネス向けブロックチェーン市場は混迷しているが、将来への期待値は極めて高い

ガートナージャパン株式会社 (本社:東京都港区、以下 ガートナー) は、国内企業のブロックチェーンに関する意識調査の結果を発表しました。

ブロックチェーンは将来、社会を大きく変える可能性のあるテクノロジです。しかしながら、ビジネス向けブロックチェーンを取り巻く現在の環境は混沌としており、当初の期待ほどには取り組みが進んでいません。ガートナーが2018年に10月に発表した「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2018年」において、ブロックチェーンは「過度な期待」のピーク期を越え、幻滅期へと坂を下りつつあります (図1参照)。

図1. ブロックチェーンは「過度な期待」のピーク期から幻滅期へ

出典:ガートナー (2018年10月)

ガートナーのアナリストでバイス プレジデントの鈴木 雅喜は次のように述べています。

「ビジネス向けブロックチェーンの活用に際し、企業の目の前には技術的な課題とビジネスへの応用に伴う課題の両方が残っています。一方で、ブロックチェーンに関する大きな成功事例や、ブロックチェーンの特性をビジネスに生かす成功の方程式はいまだ明らかになっていません。ブロックチェーンの普及には今しばらく時間がかかる見込みです。ブロックチェーンを担当するリーダーとチームは、技術の正確な理解に努めながらも、経営層に対しては、ビジネス上のインパクトとリスク、将来への期待などに焦点を当てた分かりやすい説明をすべきです」

ガートナーが2019年2月に日本で実施した最新のユーザー調査の結果、「ブロックチェーンを理解している」経営層の割合はわずか16.7%であり、2018年2月の27.8%から大きく減少したことが分かりました。これは、変化し続けるブロックチェーン技術の動きに経営層が追い付けずにいることを意味しています。

一方、同じ調査において、企業の65%がブロックチェーンの将来に大きな期待を寄せている現状が明らかになりました。回答者の多くが、ブロックチェーンはいずれインターネットの出現に匹敵するインパクトをもたらす、あるいは、UberやAirbnbが市場を席巻したようにビジネスを変革するとみています (図2参照)。この結果は、インターネットが情報の流通を押し広げたのと同じく、ブロックチェーンが信頼性のある取引を可能とするネットワークをインターネット上で形成し、自律的に動作するサービスが世界中に拡大していく可能性を示唆しています。

図2. 今後10年間にブロックチェーンが社会やビジネスに与える影響

出典:ガートナー/調査:2019年2月

前出の鈴木は下記のように述べています。

「ビジネス向けブロックチェーンの活用がなかなか進まない中でも、本テクノロジへの積極的な取り組みを続けている企業は存在します。彼らがそうした活動を継続しているのは、ブロックチェーンは将来の世界を変え得るインパクトを持ち、新たな市場で主導権を握る滅多にない機会をもたらす可能性を理解しているためです」

ガートナーは来る4月23~25日、八芳園本館 (東京都港区) において「ガートナー ITインフラストラクチャ、オペレーション&クラウド戦略コンファレンス 2019」を開催します。本コンファレンスでは、「未来志向2030:新たな時代へ」をテーマに、昨今の状況と将来の方向を踏まえ、採るべき戦略、アクションとアドバイスを提示します。本リリースに関連した内容は、前出の鈴木が「ブロックチェーンの真実:その現実と未来」(25日 9:00~9:45) で解説します。

本コンファレンスの詳細については下記Webサイトをご覧ください。

https://gartner-em.jp/dc/

ニュースや最新情報は、ガートナーのTwitter (https://twitter.com/Gartner_jp) でもご覧いただけます (#GartnerIO)。

調査手法

本調査は、国内の特にITインフラストラクチャに関わるマネージャー向けのアンケートを通して、日本におけるさまざまなITのニーズや課題を分析することを目的に実施したものです。有効回答数は515件で、日本全国の従業員数500人以上の企業を対象にしています。回答者は、ITインフラストラクチャ領域において、製品やソリューション、サービスの導入の選定に際し、決裁権がある/関与している、もしくはITインフラストラクチャの戦略に関与している役職を想定しています。

ガートナーのサービスをご利用のお客様は、ガートナー・レポート「2019年の展望:日本におけるブロックチェーンとデジタル・ビジネス」(INF-19-43) にて詳細をご覧いただけます。

Gartnerについて

Gartner, Inc. (NYSE: IT) は、お客様のミッション・クリティカルな課題について、より優れた意思決定と大きな成果へと導く実行可能かつ客観的な知見を提供します。詳細については下記Webサイトでご覧いただけます。

gartner.com

gartner.co.jp (ガートナージャパン)

報道関係各位からのお問い合わせ先