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ホーム2014年 プレス・リリース −ガートナー、2014年以降の 日本におけるエンタプライズ・アプリケーションに関する展望を発表

2014年2月20日
ガートナー ジャパン株式会社
広報室

ガートナー、2014年以降の
日本におけるエンタプライズ・アプリケーションに関する展望を発表
〜「スピード」と「割り切り」がIT部門の緊急課題に〜
『ガートナー エンタプライズ・アプリケーション & アーキテクチャ サミット 2014』
(3月10〜11日、東京・品川) において知見を提供

ガートナー ジャパン株式会社 (所在地:東京都港区、代表取締役社長:日高 信彦) は本日、2014年以降の日本におけるエンタプライズ・アプリケーションに関する展望を発表しました。

ガートナーでは、エンタプライズ・アプリケーションに関し、「アプリケーション開発」「アプリケーション・インフラストラクチャ」「日本企業の海外拠点向けアプリケーション投資」「ERPとエンタプライズ・スイート」という4つの領域にフォーカスして調査を行っています。近年、日本におけるエンタプライズ・アプリケーション市場では、クラウドやモバイルに代表される新興テクノロジとグローバル化の急速な進展を受け、アプリケーション開発・統合・展開における従来のアプローチが急速に陳腐化しつつあります。このような環境変化を受け、企業は今後、既存のエンタプライズ・アプリケーション環境をスピーディに変革し、進化させていく必要に迫られています。以下の展望は、企業がエンタプライズ・アプリケーションに関する取り組みを推進する際に最も重要かつ注意すべきものとして取り上げたものですが、総じて、IT部門にはこれまでよりも一層の「スピード」と「割り切り」が求められることでしょう。

ガートナーのリサーチ ディレクター、本好 宏次は次のように述べています。

「クラウドやモバイルなど、コンシューマーITの世界での活用が先行してきた新興テクノロジがエンタプライズ・アプリケーションにも大きな影響を与え、エンタプライズITにコンシューマーITの要素が急速に取り込まれつつあります。また、海外拠点を含むグローバルでのビジネス・プロセスの標準化や情報の一元化に取り組む企業からガートナーに寄せられる問い合わせが、近年、非常に増えています。この、『エンタプライズITのコンシューマライゼーション』と『グローバル化への対応』という2大トレンドを受けて、今後、日本におけるエンタプライズ・アプリケーションは、非連続的な変化に即応し、しなやかに進化していく必要があります。しかし、既存の一枚岩的で密結合された、重厚長大なオンプレミス主体のアプリケーションのみでは、こうした急激な変化に対応することは難しくなると予想されます。来るべきアプリケーション変革への備えが十分にできていない企業のIT部門は、近い将来、エンドユーザーからの要求に応えることも、追加投資を正当化することもできず、存在意義を厳しく問われることになるでしょう」

今回発表した、ガートナーによる日本におけるエンタプライズ・アプリケーション領域の重要な展望は次のとおりです。

2017年までに、日本におけるエンタプライズ・アプリケーション開発プロジェクトの80%が1年以内の完了を求められるようになる


日本において現在実施中あるいは今後予定されているスクラッチ開発、パッケージ導入、サービスとしてのソフトウェア (SaaS) による業務アプリケーションの開発プロジェクトは1年を超えるものが多い一方、ガートナーがグローバルで最近実施した調査では、調査対象の8割が1年以内で開発プロジェクトを完了しています。グローバル競争という観点から、近い将来、日本企業もこの動向を後追いせざるを得ないと予想されます。近年、アジャイル手法や各種開発支援ツールなど、アプリケーション開発期間の短縮化に貢献することが見込まれる手段がそろいつつあります。また、先行企業の事例が蓄積され、認知されるにつれて、開発期間の短縮化に取り組む企業が、徐々に増えていくと考えられます。

IT部門は、開発期間の短縮化が喫緊の課題になっているという問題認識を社内で醸成するとともに、開発手法、開発ツール、テスト自動化などさまざまなアプローチの中から、自社に最適なものを選別し、採用することが重要になります。また、プロジェクトの体制面でも、ビジネス部門の巻き込み、要件の絞り込み、迅速な意思決定の仕組みの構築が必須になり、システム・インテグレーター (SI) やベンダーへの提案要請書 (RFP) でも開発期間を優先する姿勢を鮮明に打ち出すことが求められるでしょう。


2017年までに、ユーザー主体でSaaSを新規導入する、もしくはSaaSとの新規連携が必要となる大企業の60%以上において、SaaSとオンプレミスの統合にSaaS導入並みのスピードと安価を求める圧力が、サービスとしての統合プラットフォーム (iPaaS) 利用の促進要因となる

ガートナーの最近の調査によれば、大企業の6割以上が、パブリック・クラウドを利用するメリットとして運用コスト削減、安価かつ迅速な機能利用を挙げています。また、パブリック・クラウド・アプリケーション (SaaS) の利用拡大に伴い、オンプレミス・アプリケーションとの連携が必要となっています。その際、エンドユーザーは、アプリケーション統合でも、SaaSのメリットの1つである迅速な導入を求めるようになっています。この傾向は将来、モバイルや、クラウド上でのワークフローの利用拡大に伴い、さらに強まるでしょう。しかし、こうした状況に対して、既存のオンプレミス主体の統合は、コストとスピードの観点からエンドユーザーに敬遠されることが多くなる見込みです。したがって、今後、クラウド上で統合機能をサービスとして提供するiPaaSへの関心が高まっていくことでしょう。一方、iPaaSのみでは、オンプレミスのアプリケーション統合の複雑性、多様性、サービス・レベルを満たすことが現状では難しい面もあるため、双方を併用するケースが増えつつあります。

したがって今後、IT部門は、SaaSの導入スピードに追随可能なアプリケーション統合手段として、iPaaS利用をアプリケーション統合のロードマップに含め、オンプレミスの統合テクノロジとの併用によるハイブリッドなアプローチを検討する必要があります。また、その実現のために、アプリケーション機能やデータ・アクセスのサービス・モジュール化とインタフェースのサービス化によるサービス指向アーキテクチャ (SOA) への対応を推進することも、あらためて重要になるでしょう。


2017年までに、海外拠点を持つ日本企業の60%がエンタプライズ・アプリケーションの集約化に着手するが、その半数が戦略、組織体制、人材の欠如によって失敗する

海外展開がひと段落した日本企業では、効率化と全体最適、リスク管理などを鑑み、グローバルでのITガバナンス強化のフェーズに入っています。一方、グローバルな視点でITにかかわる戦略、組織体制、人材育成に取り組んでいる企業は、残念ながら現時点では非常に限られています。特に、IT人材の育成について本社が把握している比率は、ガートナーの最近の調査によれば2割未満にとどまっています。さらに、海外展開の課題として、5割以上の企業が「海外拠点におけるITの状況把握」ができていないことを挙げています。これらの状況から、日本企業がグローバルのビジネス成長に寄与するIT支援体制を構築するまで、しばらく時間を要すると考えられます。このように、戦略、組織体制、人材が十分伴わないまま、安易にアプリケーションの集約化を進めることは、スケジュールの遅延や予算の超過につながり、さらには、「使われないアプリケーション」を生み出すことでITガバナンスが低下する恐れもあります。

IT部門は、まず海外拠点のITの正確な実態を把握することに努めるとともに、今後、アプリケーション集約化を推進し、効果を生み出すための組織能力が自社に備わっているかについて客観的に判断する必要があります。その上で、アプリケーションの各領域で目標とするガバナンス・レベルを設定し、グローバル・ビジネスをリードするための人材ニーズに沿ったIT人材を育成することが、一層求められるでしょう。


2017年までに、ERPを利用している日本の大企業の40%以上が機能の大半にアドオンを施すが、総合保有コスト (TCO) の増大に伴って追加投資の正当化が困難になる


ガートナーの最近の調査によれば、ERPの利用機能の5割以上にアドオンを施す大企業の割合は、2009年の2割弱から2013年の3割強へと増加傾向にあります。今後、同様の傾向が続くと、アドオンの割合が5割を超える企業が増え続け、それら企業の多くで、不具合発生時の影響分析やテストの工数が膨らんだり、パッチ適用やアップグレードの費用が想定を上回ったりすることでTCOが増大し、追加投資を正当化することが困難になるでしょう。その結果、これらの企業では、タイムリーな新機能/テクノロジの採用に支障を来し、競争劣位に置かれることが懸念されます。また、新興テクノロジへの取り組みの遅れにとどまらず、ERPの重要な効果の1つである安定稼働に支障を来してしまう恐れも高まり、他のERPへの乗り換えを検討する企業が増える事態も想定されます。

ERPの導入/改修/更新を行うIT部門は、上記の予測が現実のものとならないように、必要とするERP機能が、独自性が重要となる自社の競争優位に結び付く機能なのか、それとも他社と同様の標準機能で十分と考えられる機能なのか、あらためてユーザー部門と議論・合意の上で精査する必要があります。その上で、競争優位に結び付く機能についてはクラウドやモバイルなどの新興テクノロジの活用も検討しつつ、極力ERP以外の手段 (他のパッケージ/クラウド・サービスや自社開発など) によって補完し、ERPと組み合わせていく、「割り切り」のある要件整理と、メリハリの利いたアプリケーション・ポートフォリオ管理が重要になるでしょう。

2014年3月10〜11日に、東京・品川で開催される「ガートナー エンタプライズ・アプリケーション&アーキテクチャ サミット 2014」では、「俊敏な経営を支える『骨太』のアプリケーション戦略を策定せよ」をテーマに掲げ、テクノロジやビジネスの変化に柔軟に対応でき、経営の俊敏性に寄与するアプリケーション環境の構築に向け、ITリーダーが「ぶれない軸」を持つアプリケーション戦略を策定するにはどうしたらよいかについて、有用な知見や取り組みを紹介します。前述の本好 宏次 (コンファレンス・チェア) をはじめとする国内外のアナリストによる各種セッションを予定しています。

http://www.gartner.co.jp/event/aa

また、本調査の詳細は、ガートナーのレポートとして発行されています。ガートナーでは、お客様に対して、これらを含む、さまざまなITに関するテーマについて、継続的に知見やアドバイスを提供してまいります。 http://www.gartner.co.jp/research/index.html

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