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SAMPLE RESEARCH

サンプル・リサーチ

Maverick*リサーチ:ブレーン・アウェア・エンタプライズに関する神話とリアリティ

インフラストラクチャ (INF)/INF-14-46
Research Note
E. Olding, J. Fenn
掲載日:2014年7月22日/発行日:2014年4月10日

本リサーチ分析レポートのテーマに関心をお持ちの方は、2014年10月28日(火)〜30日(木)に開催する 「Gartner Symposium/ITxpo 2014」 のページを是非ご覧ください。(イベント終了後も開催実績としてご覧いただけます)


これから従業員の能力を高めようとするCIOとITリーダーは、生産性に関する神話とリアリティを、神経科学のエッセンスに基づいて理解することで、従業員のエネルギーと時間を価値創造に振り向けるようにすることが望ましい。

要約

主要な所見

  • マルチタスク作業の虚像が、集中力、生産性、収益を食いつぶす。
  • 直観と事実調査は相互補完的なスキルである。今後、社内における意思決定で従業員に優れた能力を発揮させるには、両者を適用する方法とタイミングを学ぶことが重要である。
  • 運動、睡眠、その他の健康増進要素に注力することは、今後のビジネスにおける重要成功要因 (CSF)であり、就労時間の有効性を直接的に高める。

推奨事項

CIOとITリーダーは、以下の作業を実施する。

  • 集中力を低下させる要因を最小化して、従業員が自身の業務に専念できるようにする。
  • 無意識のバイアスと思考パターンを勘案しつつ、意思決定の根拠に異議を申し立てる。
  • 健康増進を目指し、十分な睡眠、運動、栄養摂取、ストレス緩和を従業員に奨励する。


目次


 分析

  *Maverickリサーチについて

  マルチタスク作業の危険性

  直観を信頼すべき時と事実を調査すべき時

  「3D従業員」の登場

    脳のパフォーマンスを最高にする3本の柱

 推奨リサーチ



*Maverickリサーチについて

本「Maverick」リサーチは、斬新な知見を披露するものである。Maverickリサーチは、ガートナーでの慣例である広範なコンセンサス形成プロセスの制約を経ずに、ガートナーのリサーチ・インキュベーターが発案した画期的/革新的 (イノベイティブ)/破壊的なアイデアを提示する。いずれも最大限の価値とインパクトを与えるよう考案されたものであり、ガートナーでは、各リサーチ・シリーズによる探究を通して、顧客がメインストリームの一歩先を行き、自社のIT戦略と組織に影響し得るトレンドと知見を活用できるよう支援する (備考1および2参照)。


マルチタスク作業の危険性

神話:訓練すれば、誰でもうまくマルチタスク作業を行えるようになる。

リアリティ: 複数の作業の切り替えスピードを上げる方法 (タスク切り替え) を習得できる可能性はあるが、単にそれだけの話である。

例えば、あなたはインスタント・メッセージ (IM) による2件のチャットをこなし、上司から届いた電子メールをプレビュー・モードでクリックした後に、自分の仕事に戻る。しかし、タブレット端末には複数の作業が仕掛かりのまま残っている。何をしていたのであろう。午前中の作業を振り返ると、正午までに回答する必要のある大手ベンダーとの契約書をチェックしていたことを思い出す。不完全な文が残っているだけで、どのように修正しようとしていたのかさえ分からなくなっている。一からやり直しになるため、貴重な時間が無駄になる。

マルチタスク作業は、生活様式になっている。多くの人は「1日24時間/週7日」ベースで生活する中で、注意をそらす無意味なものによって集中を欠く「DBD (Distracted By the Distraction) 状態」に悩まされ、取り掛かっていた仕事を中断させてしまう。世間では、並行して対応するプロジェクトが多いほどマルチタスク性と生産性が高まると考えられているため、多くの作業が依然として並行して行われている。企業のリーダーはこの考え方を支持して、有能であるが既に疲弊している従業員にさらに仕事を割り当てている。また、多くの企業の職務記述書は、リーダーの資格要件として「多数のプロジェクトと競合する優先事項を処理する能力」を挙げている。

しかし、マルチタスク作業の背後にある神経科学は、こうした理想的な構図を説明していない。The Energy Projectの創立者であり社長兼CEOのTony Schwartz氏によると、人間はマルチタスク作業をこなすことはできず、単に「タスク切り替え」を行っているだけである。同氏によると、人間の作業効率が最高になるのは、1つの作業に専念する場合である (根拠1参照)。ノーベル賞を受賞した政治学者、Herbert Simon氏の著作から引用すると「大量の情報は注意を散漫にする」(根拠2参照)。大半の企業内環境で期待されているマルチタスク作業のレベルを踏まえると、企業がこうした散漫レベルに近づいている状況は危険ですらある。

一般に、従業員の集中力は3分間しか持続しない。米国カリフォルニア大学のGloria Mark教授は、中断した仕事を再開するには最大23分間を要すると主張している(根拠3参照)。この数値を単純に週40時間労働に適用すると、集中している時間は1週当たり約4.5時間となる。つまり、1日当たり1時間に満たない。当然ながら集中していない時間にも有益な活動を行うことはあり得るが、この数値が2倍になると生産性、業績、収益に重大な影響が及びかねない。

他の調査によると、マルチタスク作業では作業時間が最大50%長引く上に(根拠4参照)、IQが一時的に10ポイント低下する(根拠5参照)。一部の調査によれば、タスク切り替えの効率を改善する方法は習得可能であり、「タスクの干渉」を軽減できるが、これは単に切り替えの高速化に着目しているにすぎない (備考3参照)。


現時点でできること:

  • 30分タイマーを設定して電子メール、インスタント・メッセージング(IM)、携帯電話をオフにし、重要な作業に集中する。これには生産性が最高になると感じる時間帯を設定する。多くの人にとって、これは午前中に当たる。これを3日間実行して、毎日集中する習慣を短期間で身に付ける。
  • 自身と従業員が気を散らすことなく重要な作業に取り組める時間を割り当てることで、生産性を高める。これを社内文化面の基準とし、気を散らすもののない時間を確保するよう促す。
  • 電子メールのプレビュー機能をオフにする。スマート・デバイス上で、IMの音声と電子メールのアラートをオフにする。これらのチェックは定期的に行うにとどめ、重要な作業の最中には決してチェックしない。業務集中モードを利用して、集中できる時間を確保する。

将来の職場で実現すること:

  • 従業員は、電子メールの中毒性とドーパミン放出の快楽を認識するようになる。また、この知識を利用して「電子メールの習慣を断ち切る」(根拠6および7参照)。
  • 電子メール・プログラムは、気が散ることを回避するオプションを提供するようになる(電子メールを緊急性の有無により分類するなど)。これらの機能を利用して、緊急性の高い電子メールのみに注意を払う。電子メールを四六時中チェックする習慣を断ち切るのは容易ではないため、経営陣が手本を示すことが必要になる。
  • 無数のプロジェクト(すべて「最優先」のもの)を従業員に割り当てる手法は、過去のものとなる。これは、一度に1つのプロジェクトに集中すると、さほど労せずして極めて多くの価値を実現できるという事実に企業が気付くためである。
  • 従業員が「業務に集中できるフロア」で作業できる静粛な職場が実現する。

直観を信頼すべき時と事実を調査すべき時

神話:推論よりも直観の方が正しいことが多い。

リアリティ:直観と事実調査の2つのアプローチのうち一方が常に他方よりも優れているということはない。直観を信頼してよい時と、道を誤る可能性が高い時を見分ける必要がある。

例えば、重要なITプロジェクトの1つがスケジュール遅れとなっており、予算を超過しているとする。レビュー・ミーティングに出席している役員が「プロジェクト・マネージャーを交替させるか、あるいは新たなテクノロジ・プラットフォームに移行してコスト超過を最小化し、スケジュールどおりに完了する可能性を高めてはどうか」と質問する。あなたは2つの選択肢を素早く検討する。プロジェクト・マネージャーは、最も経験豊富なリーダーではないとはいえ、プロジェクトを指揮する能力に自信を持っている。その上、今まで出会った中で最も好感の持てる男性の1人である。あなたは、ライフサイクル内のこの時点で同じくスケジュール遅れとなっていた別のプロジェクト(追い込みでどうにか遅れを挽回したもの)を完了し、打ち上げランチから帰ってきたばかりである。上機嫌なので、プロジェクト・マネージャーに対する共感度が高まっている。テクノロジ・プラットフォームについては、不測のコストとリソース要件が存在していたことは事実であり、さらなる要件も予測されているが、会社は既に現行のツールに膨大な資金を投じている。あなたは十分検討した後に、プロジェクト・マネージャーとプラットフォームをそのままにすることを提案する。

脳は、複雑な意思決定を速やかに行うことを常に要求されている。人間は、生き残るために意思決定に多数のショートカット(ヒューリスティック機能)を盛り込んできた。こうしたショートカットは、多くの場合うまく機能して (分別の維持に役立って) いるが、知らないうちに意思決定に影響する場合も多い。

上の例では、以下のヒューリスティック要素が知らぬ間に意思決定に影響している可能性がある (根拠8および9参照)。

  • ハロー効果:人気者や魅力的な人は、脈絡のない長所(プロジェクト遂行能力など)を備えていると見なされる可能性が高い。プロジェクトのスケジュールとは無関係な理由(例えばチームの士気を高めるなど)で、経験豊富であるが無愛想なマネージャーよりもカリスマ性があるが経験の浅いマネージャーを選ぶこともあり得る。意思決定の際には、誤った合理化を防ぐ必要がある。
  • 不正確な自信:大半の職種では、自信の度合いと正確性の相関性は極めて低い。
  • 新近性効果:複雑な質問「このプロジェクトの超過可能性はどの程度か」を突き付けられると、無意識に単純な質問「前回超過したプロジェクトはどうなったか」に切り替える人が多い。特に、最近の出来事や忘れ難い出来事は、客観的に正当化できる範囲を超えて意思決定に影響することがある。
  • 回収不能コストと現状:状況を変化させる手段を取る際は、現状維持と比較して余分なエネルギーが必要になり、リスクが高いと感じられる。この一例は、回収不能コストである。つまり、過去の投資を放棄すると、今後発生するコストが代替選択肢に移行するコストを上回る場合であっても「無駄」になるという感覚である。

こうした課題の多くは、いったん認識して理解すれば明示的に対処可能である。例えば、新近性効果やハロー効果に対抗するには、時系列的な成否の基準レートを探す。過去3年間に遅れが発生した類似プロジェクト数はいくつか。遅れの幅はどの程度か。このマネージャーの担当プロジェクトのうち、予算内でスケジュールどおりに完了したものは何件か。このテクノロジ・ベンダーの他の顧客のうち、代替選択肢と比較して予算が超過した企業は何社か。

行動科学分野の膨大な研究により、意識的な意思決定と意識下の意思決定が担う二重の役割が明らかになっている。これは、「無意識のバイアスを防ぐ」ということではない。意識に関連する脳が出来事を認識する前に、潜在意識が正解を導いている例は多数存在する。

米国の心理学者Daniel Kahneman氏は、著書の『Thinking, Fast and Slow』で両システムを定義している。システム1は、潜在意識に関係する迅速かつ直観的なものであり、システム2は意識的で低速かつ内省的なものである。同じく米国の心理学者Gary Klein氏は、『Sources of Power』で直観を「認知に基づく意思決定」と表現している。この種の意思決定は、生死を分ける状況(消防士や看護師が職務において直面する事態など)では極めて重要である。こうした知見を踏まえると、直観を信頼すべき状況は以下のように説明できる。

  • 類似した状況で豊富な経験を積んでおり、潜在意識によるパターン認識が可能である。
  • 自身の意思決定や行動の正確性に関して、素早いフィードバックを頻繁に受けている。

現時点でできること:

  • 『The Hidden Traps in Decision Making (意思決定に潜むわな)』を熟読する。これは、人間の脳のショートカットが判断を誤らせる仕組みを解説した秀逸な記事である。意思決定に当たっては、これらのわなに注意し、同僚にも注意を促す (根拠10参照)。
  • 意思決定を行う際は、自身の直観を信頼する前に、この状況に関して類似した経験を豊富に積んでいるか否かを自問する。
  • 事実と直観のバランスを取り、自分がどのように意思決定を行ったのかを振り返って、その方法を評価する。自身が他者に根拠を説明していると仮定して、重要な意思決定を検証する。これを毎日実行して自分のバイアスのパターンを見つける。

将来の職場で実現すること:

  • 個人的なバイアス(意識下の思考パターンと、長年にわたり形成された嗜好によるもの)がさらに明確に理解されるようになる。これにより、意思決定の根拠に異議を申し立てる健全な議論が実現し、戦略的方向性のサポートがさらに永続的なものになる。
  • 意思決定プロセスの表現を改善する用語が登場し、社内文化の一部となる。これにより、指示と管理という業務スタイルに異議が唱えられ、組織構成がさらにフラットなものになる。リーダーが盲目的に指示を発して従業員の士気をそぐことがなくなる (「Maverick* Research: Socially Centered Leadership」参照)。
  • 企業は、意思決定と目標達成において潜在意識が発揮する力の方向性を設定し補正する役割を、コーチ役とソフトウェアに担わせるようになる。

「3D従業員」の登場

神話:人間は、睡眠、運動、栄養を犠牲にしてがむしゃらに業務上の課題に対処しても、ほとんど影響を受けない。

リアリティ:身体のニーズに正しく注目しないと、認知パフォーマンスが低下する(マリファナの喫煙時や酒酔い状態で出勤するのに類似した状態になる)。脳は保守要件が高く、容易に疲労する上に、体重のわずか2%にしか相当しないにもかかわらず、全所要エネルギーの20%を消費する。

業務時の脳のパフォーマンスを最高レベルに引き上げるには、睡眠、運動、栄養を十分確保する必要がある。競争上の優位性を得る手段として、「従業員エンゲージメント」が注目されるようになっている。本Maverickリサーチでは、これを発展させ、脳中心型のアプローチを包含する総合的な福利という視点を盛り込むことを提案する。「3D従業員」は、メンタル面、身体面、社会面という3つの次元の福利を必要とする。これには、明確な目標を設定して職務に取り組み、優れた業績に対して表彰を受ける以上の効果がある。エンゲージメントの場を拡大し、総合的な福利という考え方を受け入れ、創造性と生産性を高める必要がある。3D従業員は十分な睡眠、運動、最適な栄養のほか、余暇の時間も確保できるため、創造性と生産性が最高レベルに達する。


脳のパフォーマンスを最高にする3本の柱

睡眠:米国疾病管理予防センター(CDC)の推定によると、民間労働者の30%は十分な睡眠を取っていない(根拠11参照)。米国ハーバード大学の研究員は、睡眠不足による生産性低下で2011年に米国企業にもたらされた損失は632億ドルに相当すると推定している。この数値に、不適切な意思決定と反倫理的行為がもたらすコストを加えると、企業にとっては十分な夜間睡眠(6〜8時間)を取らせることが至上命令となる(根拠12参照)。また、脳は疲労しやすいため、仮眠を取ると身体的にリフレッシュするばかりでなく、気分も爽快になることが明らかになっている。Googleをはじめとする先進的企業は、従業員が一定時間の仮眠を取ることができる「エナジー・ポッド」を導入している。また、Zappos、Cisco、AOL Huffington Postといった企業も、仮眠によるパフォーマンス改善というメリットを認識している(根拠13および14参照)。

運動:人間は、座ったままでいることが苦手である。人間の祖先は、毎日12マイル(約19km)を移動していた(根拠15参照)。「運動を定期的に行うと、脳の可塑性を支えて維持する分子/細胞カスケードが活性化する」上に、フリーラジカルによる脳への悪影響を防止できる (根拠16参照)。脳の可塑性 (神経可塑性) は、成人の脳は変化しないという長年の誤解を解く概念である (根拠17参照)。脳の可塑性は、 業務に不可欠な能力である学習と記憶において重要な意味を持つ。運動がもたらす明白なメリットは医療コストの削減であるが、社内の集合知を強化できるならば、この価値は数倍になる。運動を行い、脳を鋭敏な状態に維持して、現在の複雑な業務環境において対処せざるを得ないさまざまな難しい問題に対処する準備を整える必要がある。運動は従業員に対する投資であるが、競争優位性というリターンを得ることができる。

あるメーカーのCIOは、IT部門の従業員にFitbit (身に着けることで日々の健康状態を記録できるガジェット)を支給し、毎日15分間のウォーキング休憩を2回取ることを奨励している。IT部門は、この新たな仕事の仕方を熱心に取り入れている。その結果、従業員は一緒に歩きながら、仕事や問題解決方法について議論するようになった。これは当初意図していたことではないが、脳と運動の関係を証明する貴重な成果である (根拠18参照)。

栄養:脳はブドウ糖を消費しながら活動しており、脳を働かせるほどその消費量が増える。食事を抜くのは一種のダイエットかもしれないが、脳が飢餓状態に陥り、生産性が低下する可能性がある。

現時点でできること:

  • オフィスから出る目的で、歩きながらのミーティングを設定する。運動が思考に好影響を与えるばかりではない。脳は新たな刺激を好むため、環境が変化すると創造性が高まり、他者や周囲との関係が強化される可能性がある。
  • 十分な睡眠を取り、適切な睡眠により健康を維持することを部下に奨励する。
  • 炭酸飲料や市販スナックの自動販売機を設置するだけではなく、健康に良い軽食を無料で提供するよう会社に要求する(要所要所にフルーツを置いておくなど)。
  • 従業員への作業の割り当てと期限の設定には十分に気を配り、従業員各自の社外での活動を理解した上で行う。

将来の職場で実現すること:

感情面でつながった従業員は、現在の勤務先への定着率が高くなる傾向がある。脳の要件を認識し、3D従業員の包括的なニーズを受け入れる雇用主が上述したコンセプトを実践するならば、競争力の強化、有効性の向上、イノベーションの推進、収益の拡大を実現できる。

  • 「生体データ・バンド」から収集した情報を「個人のコンテキストを認識するソフトウェア・エージェント」が評価し、その結果に基づいて1日のスケジュールを編成し、脳の力を最大限に引き出す。例えば、オフィス外でのミーティング、フィットネス休憩、血糖値が低下する時間を通知する(食事や軽食を提案)などである(「Maverick* Research: Living and Leading in the Brain-Aware Enterprise」参照)。
  • デスクは、事前にプログラム可能な複数の姿勢(立ったまま30分間作業した後に、15分間座って作業するなど)に対応するようになる。また、生体データ・バンドと同期して理想的な間隔を判断する。
  • 仮眠が流行する。個人のコンテキストを認識するソフトウェア・エージェントが、生体データ・バンドの情報と当日の業務予定に基づき、15〜30分の仮眠時間をスケジュールする。
  • 従業員に対して社内で食べ物を提供するのは、ドットコム企業や新興企業ばかりではない。企業は、健康的で脳に良い軽食を提供することによって従業員の思考力を活性化すると、10倍のリターンが得られるという事実を認識するに至る。


推奨リサーチ

「Maverick* Research: Living and Leading in the Brain-Aware Enterprise」

「Maverick* Research: Socially Centered Leadership」

根拠

  1. Tony Schwartz氏講演『Tony Schwartz: The Myths of the Overworked Creative』(Vimeo.com) ( http://vimeo.com/33018637 )
  2. 1978年、Herbert Simon氏は、経済組織での意思決定プロセスに関する先駆的研究を理由にノーベル経済学賞を受賞した。
  3. R. Silverman著『Workplace Distractions: Here's Why You Won't Finish This Article』(The Wall Street Journal、2012年12月11日) ( http://online.wsj.com/news/articles/SB100014241278873243392045781732 52223022388?mg=reno64-wsj&url=http%3A%2F%2Fonline.wsj.com%2Farticle%2FSB10001424127887324339204578173252223022388.html )
  4. A. Brann著『Make Your Brain Work』(Kogan Page、2013年) ( http://makeyourbrainwork.com/the-book/ )
  5. S. Vorhauser-Smith著『The Neuroscience of Performance: People at Their Best』(PageUp People、2011年7月)(http://www.pageuppeople.com/research-item/neuroscience-of-performance-people-at-their-best/ )
  6. S. Weinschenk著『Why We're All Addicted to Texts, Twitter and Google』(Psychology Today、2012年9月11日)(http://www.psychologytoday.com/blog/brain-wise/201209/why-were-all-addicted-texts-twitterand-google )
  7. G. Small著『Techno Addicts』(Psychology Today、2009年7月22日)(http://www.psychologytoday.com/blog/brain-bootcamp/200907/techno-addicts )
  8. S. Plous著『The Psychology of Judgment and Decision Making』(McGraw-Hill、1993年)
  9. D. Kahneman著『Thinking, Fast and Slow』(Farrar, Straus and Giroux、2011年)
  10. J. Hammond, R. KeeneyおよびH. Raiffa共著『The Hidden Traps in Decision Making』(Harvard Business Review、2006年1月) (http://hbr.org/2006/01/the-hidden-traps-in-decision-making/ar/1 )
  11. L. Weber著『Go Ahead, Hit the Snooze Button』(The Wall Street Journal、2013年1月23日) ( http://online.wsj.com/news/articles/ SB10001424127887323301104578257894191502654?mg=reno64-wsj&url=http%3A%2F%2Fonline.wsj.com%2Farticle%2FSB10001424127887323301104578257894191502654.html )
  12. L. Anderson著『Something for the Weekend』(Financial Times、2011年5月6日) ( http://www.ft.com/cms/s/2/a77b9914-77cb-11e0-ab46-00144feabdc0.html#axzz2YlaYtc5d )
  13. S. Pappas著『Why Naps Make You Smarter』(LiveScience、2011年3月8日) ( http://www.livescience.com/13125-sleep-naps-boost-memory.html )
  14. C. Delo著『Why Companies Are Cozying Up to Napping at Work』(2011年8月18日) ( http://management.fortune.cnn.com/2011/08/18/why-companies-are-cozying-up-to-napping-at-work/ )
  15. J. Medina著『Brain Rules』(Pear Press、2009年3月) ( http://www.brainrules.net/ )
  16. D. Rock, D. Siegal、S. Poelmans、J. Payne共著『The Healthy Mind Platter』(NeuroLeadership Journal、2012年10月) ( http://www.davidrock.net/files/02_The_Healthy_Mind_Platter_US.pdf )
  17. H. Pulakkat著『Physical Exercise, Social Life and Arts Can Keep the Brain Young』(The Economic Times、2011年8月14日) (http://articles.economictimes.indiatimes.com/2011-08-14/news/29884510_1_human-brain-mind-training-posit-science )
  18. CIOを対象にしたガートナーの調査 (2013年6月)

備考1

「Maverick」の語源

「maverick」の語源は、所有する牛に持ち主を示す焼き印を押すことを断固として拒んだ米国テキサス州の農場経営者、Samuel Maverick氏である。この語は、世間一般の考え方や行動に反して、故意に独自の (多くの場合、破壊的または異端の) 立場を取る人を指す。

備考2

新たな革新

本リサーチノートは、CIOをはじめとするリーダーにアドバイスを提示すべく、神経科学に関する文書や第一線で活躍している医師とのインタビューを総合して、新境地を開くものである。脳科学の観点から従業員の知力の最適化にじっくりと取り組むことは、大半のリーダーと企業にとってなじみのない活動である。今後3〜5年間に、企業は、この分野に対する注力度を大きく高めるとガートナーでは予測している。

備考3

タスク切り替えとマルチタスク作業

米国ヴァンダービルト大学の研究によると、マルチタスク作業は「前頭前皮質が情報を処理するスピード」に大きく制約される。この研究に参加しているPaul E. Dux準教授は、トレーニングによりこの処理を高速化できると考えている。この研究では、7人の被験者に2つの単純作業を実行させた後に、脳内をスキャンした。トレーニングの後、被験者は両作業を同時に実行できるようになった。脳内スキャンにより、前頭前皮質が情報処理を高速化していることが確認された。この研究では、脳は特定情報の処理に関する熟練度を引き上げることができるが、真の意味でのマルチタスク作業は実行できないことも明らかになっている。詳細については、「Training Improves Multitasking Performance by Increasing the Speed of Information Processing in Human Prefrontal Cortex」(トレーニングによりヒトの前頭 前皮質の情報処理速度が向上し、マルチタスク作業のパフォーマンスが改善する) ( http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2713348/ ) を参照されたい。



(監訳:亦賀 忠明)
INF: INF-14-46


※本レポートの無断転載を禁じます。

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