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SAMPLE RESEARCH

サンプル・リサーチ

Oracleで成功するためのペース・レイヤリング・アプローチ

アプリケーション (APP) /APP-13-177
Research Note
M. Guay, N. Rayner
掲載日:2014年2月18日/発行日:2013年12月13日

本リサーチ分析レポートのテーマに関心をお持ちの方は、2014年3月10日(月)・11日(火)に開催する 「ガートナー エンタプライズ・アプリケーション & アーキテクチャ サミット 2014」 のページを是非ご覧ください。(イベント終了後も開催実績としてご覧いただけます)


Oracleアプリケーションを実装している多くの企業は、「ベスト・オブOracle」戦略、すなわちOracleベースの統合ソリューション戦略を採用している。ビジネスにおいては差別化と革新の能力が重視されており、ガートナーによるアプリケーションのペース・レイヤリング戦略は、Oracle中心の企業におけるアプリケーション戦略の改善と実施に有益である。

要約

影響

  • OracleによるEngineered Systemへの注力は、同社が広範な「スタック」ソリューションを経営陣にさらに訴求しようとすることを意味する。
  • ハイブリッドERPの登場によって、Oracle中心戦略を掲げるITおよびアプリケーション部門のリーダーは、他社製のベスト・イン・クラス・ソリューションの採用圧力に直面する。
  • Oracleのアプリケーション・ポートフォリオが多様であることから、ITおよびアプリケーション部門のリーダーは、Oracleの統合テクノロジとサードパーティの製品/サービスを比較検討しなければならない。

推奨事項

  • Oracleの記録システムの境界線を定義するために、アプリケーションのペース・レイヤリング戦略を活用する。差別化システムと革新システムについては、Oracleの製品/サービスと代替手段を比較評価する。
  • Oracleの記録システム・レイヤが効果的で、ビジネス・ニーズに則していることを確認する。
  • 各レイヤにわたって差別化の進んだガバナンス・モデルを適用する。
  • 接続テクノロジ (特にクラウド統合) にかかわるOracleのロードマップを監視する。どのOracleテクノロジを自社の接続テクノロジ戦略に加えるかを特定する。

分析

本リサーチノートの目的上、「Oracle」とはOracle ERPアプリケーション・スイートのいずれかを指す。つまり、Oracle Applications Cloud (Fusionの新たな名称)、Oracle E-Business Suite、Oracle PeopleSoft、Oracle JD Edwards (Enterprise One) のいずれかである。

IT部門は、テクノロジの活用により、安全でコスト効率に優れた環境で持続可能な差別化を確立し、革新的なビジネス・プロセスを推進するビジネス・アプリケーション戦略を、事業部門との密接な協力の下に策定しなければならない。CIOとITアプリケーション・リーダーは、こうしたニーズにスピードと俊敏性をもって対応しなければならない重圧を感じている。ガートナーによるアプリケーションのペース・レイヤリング戦略は、記録システム、差別化システム、革新システムという3つのレイヤに対処することで、リーダーの成功を支援する (備考1参照)。どの部分を差別化すべきか、そして当該機能をどのように提供するかについて、企業は賢明に対応できなくてはならない。

Oracleはこれまでに数々のベスト・イン・クラスのアプリケーション・ベンダーを買収している。このことは、暗黙的にせよ明示的にせよ、多くの企業がベスト・オブOracle戦略 (Oracleソリューションがビジネス要件を満たすデフォルトの選択肢とされる) を採用する主な要因である (図1参照)。ハイブリッドERPの展開が現実となった世界において、ソフトウェア・ベンダー1社が単独であらゆるニーズを満たすことは不可能である。Oracleは、Exadata、Exalogic、Exalyticsなどから成るEngineered Systemスタックによってハードウェアを加え、ベスト・オブOracleを拡張した。Oracleの顧客は、Oracle Fusion Middlewareプラットフォームを活用して、カスタマイズされた革新システムを開発し、展開することも可能である。



図1 ベスト・オブOracle戦略におけるペース・レイヤの例

出典:ガートナー (2013年9月)



すべての企業がベスト・オブOracle戦略を追求しているわけではない。多くの企業は、Oracleライセンス・モデルの複雑さという現実問題に直面している。また、多くの顧客がガートナーに語ったところでは、Oracle製品の中にはとにかく高額に感じられるものがあるという。こうした企業はベスト・イン・クラス (かつては「ベスト・オブ・ブリード」と呼ばれていた) 戦略をあえて追求し、Oracle導入の範囲を制限している。

この文脈における「ベスト・イン・クラス」には、製品の能力や市場での位置付けを保証する意味はなく、またOracleのアプリケーション・ポートフォリオ以外の選択の意味もない。ベスト・イン・クラスは、選定プロセスがベンダー1社にとらわれない環境で実施されることを意味する。アプリケーションは、ベンダーに関係なく、現時点の要件や予期される要件にどこまで合致しているかという評価に基づいて選定される。例えば、HyperionやTaleoは、Oracleに買収される以前は、ベスト・イン・クラスのアプリケーションと見なされていた。これらは現在Oracle製品であるが、ベスト・イン・クラスのアプリケーションの選択肢から除外されることはない。

こうした場合、カスタムの革新システム・アプリケーションは、Oracle以外のプラットフォームを使用して開発/展開されている (図2参照)。



図2 ベスト・イン・クラス戦略におけるペース・レイヤの例

出典:ガートナー (2013年9月)



中〜大規模の企業顧客とガートナーが行った対話を通じて、基本的な3つのアプローチが浮かび上がった。各アプローチと推奨される対策を以下に示す。
  1. 完全なベスト・オブOracle戦略:全レイヤのソリューションを明確に描写する必要がある。Oracleによる買収、クラウド・ベース・ソリューション、Oracleのツールやテクノロジを使用したカスタム開発を含め、同社のロードマップやポートフォリオを慎重に精査しながら、新たな要件に関するOracleベースのソリューションの評価に着手する。Oracleベースの選択肢でビジネス・ニーズを満たせない場合には、代替ソリューションを検討する。

  2. Oracle封じ込め戦略:Oracleの展開を記録システムに限定する。他のペース・レイヤにおける新しいビジネス要件については、Oracle以外のソリューションだけで対応する。

  3. ほぼベスト・イン・クラスの戦略:一部の新しいOracleソリューションを限定的に配備する。


いずれの場合も、新たなソリューションの購入に当たっては、おそらく通常のビジネスにおける投資収益率 (ROI) 評価を経ることになる。ただし、既存のOracleライセンスと追加されるソリューションの価格設定によって、企業のアプリケーション戦略の定義とは矛盾する選択肢がさらに持ち上がる。例えば、多くの企業は、当初は使用しないOracleソフトウェアのライセンスを保有していることに気付いている。後日、さらなるビジネス・ニーズが確認されたときに、より簡易な統合ポイントを得られるという動機から、未使用であったOracleソリューションを活用しようとする (あるいは値引きされた新ソリューションを購入しようとする) 動きもあるとみられる。評価時には、ビジネス・ニーズ、複雑性、総合保有コスト (TCO) を慎重に検討すべきである。

アプリケーションのペース・レイヤリング戦略への移行によって、多くの企業は大きな変化に直面しかねない。数年にわたってOracleの記録システムを中心に投資や施策を進めてきた場合には、なおさらである。企業におけるアプローチの選択に最も影響するとみられる動向として、以下がある。
  • コアの最適化:記録システムにおける複雑性の緩和や実装/運用コストの削減
  • 差別化のための最適化:迅速で俊敏な競争上の差別化に向けたビジネス上の意欲と圧力
  • 戦略的な要素のための最適化:マクロの動向による影響 (例:モバイル、アナリティクス、クラウド) (「力の結節の影響:既存のアーキテクチャ・モデルをいかに変えるか」APP-13-21、2013年2月5日付参照)
  • Oracleのロードマップにおける新しいソリューション (例:Endecaによるアナリティクス、クラウド・オファリング、買収) の最適な活用


大多数の企業にとって最善のアプローチとは、ベスト・イン・クラスに移行し、差別化のために新しいOracleソリューションを限定的に配備し、接続テクノロジ (備考2参照) を活用することである (図3参照)。



図3 Oracle環境のアプリケーション・ペース・レイヤリングにおける影響と主要推奨事項

出典:ガートナー (2013年9月)



影響と推奨事項


OracleによるEngineered Systemへの注力は、同社が広範な「スタック」ソリューションを経営陣にさらに訴求しようとすることを意味する
Oracleの戦略的目標とは、完全なITスタック全域に製品を提供することで、ITの複雑性を軽減し、付加価値をもたらし、コストを削減することである。同社が開発したEngineered Systemは、相互の連携を目的に設計されたハードウェアとソフトウェアの組み合わせであり、主要な製品/サービスは以下のとおりである。

  • Oracle Exalogicハードウェア/ソフトウェア・プラットフォーム:ビジネス・アプリケーション、Oracle Fusion Middleware、サードパーティ・ソフトウェア製品のいずれかを展開可能なプラットフォームである。
  • Oracle Exadata Database Machine:ハイパフォーマンスなデータベース・プラットフォームである。
  • Oracle Exalytics:インメモリ・テクノロジを採用し、特に分析、モデリング、プランニング向けに設計されている。OracleのBusiness Intelligence Foundation Suiteも搭載されている。


Oracleによれば、Engineered System関連の製品やテクノロジは、他の製品を保有/維持するよりもパフォーマンスが高く、コストや複雑性も抑えられるという。また、Engineered System上でOracleのビジネス・アプリケーションを運用した方が、他のインフラストラクチャを使用するよりもパフォーマンスが優れているという。E-Business Suiteのユーザー企業が会計プロセスについてベンチマーク評価を行ったところ、Exadata Databaseを使用した場合、4.4倍の速さで稼働できることが分かった ( http://www.oracle.com/us/products/applications/ebusiness/ebs-financials-engineered-systems-1931226.pdf )。また、Oracleはビジネス・アプリケーションをEngineered System向けに最適化しようとしている。例えば、同社は最近Demantra Demand Managementを前身とするOracle In-Memory Consumption-Driven Planningを発売した。同製品はOracle ExadataまたはSPARC SuperClusterと、さらにオプションとしてOracle Exalogicとも組み合わせて運用できるように改良されている。それにより、拡張性の高いシステムが実現され、はるかに粒度の細かい頻繁なプランニングが可能になる。

広範な「スタック」アプローチは、多くのCIOや経営陣にとって訴求力のある販売/マーケティング戦略である。このアプローチは、包括的なソリューションを提供し、同時にITの複雑性を軽減し、責任の所在を明確にするように見受けられる。こうした点でメリットがあることは間違いないが、リスクもある。企業は余分なソフトウェア (特に「アドオン」製品) を購入しやすい上、ERPの記録システムに注目して評価を行うと、差別化/革新システムの領域のユーザー要件を明確に分析しないまま、即座にスタックの購入に走りかねない。つまり、Oracle製品の優れた代替策になったかもしれない専業ベンダーのソリューションを評価しないことになる。また、すべての構成要素をどのように展開するかを明確に把握しないでスタックを購入すると (一般的なアプローチではまずERPから始めて「残り」を後回しにする)、最終的に使用しない「シェルフウェア」を所有することになり得る。先行値引きには興味を引かれるが、シェルフウェアは継続的な保守コストの増加をもたらすばかりか、Oracleのライセンスから除外することが困難な場合がある (「IT Procurement: Negotiate Oracle's License and Services Agreement to Reduce Unexpected Costs」参照)。

推奨事項:

  • Oracleの記録システムの境界線を定義するために、アプリケーションのペース・レイヤリング戦略を活用する。そのために、IT部門とITリーダーは、以下のようないくつかの対策を主導する。

    - アプリケーションのペース・レイヤリング戦略の概念を事業部門に浸透させる。企業は、ベスト・オブOracleとベスト・イン・クラスというOracle活用法の両極の間で、自社にとって好ましい立場を判断しなければならない (「Toolkit: Pace-Layered Application Strategy Starter Presentation」参照)。

    - 今日の環境を明確に把握するために、Oracleエンタプライズ・アプリケーションとOracle以外のエンタプライズ・アプリケーションを3つのペース・レイヤに対応付ける。ガートナーの「Use Gartner's Pace Layer Business Domain Toolkits to Diagram Current and Plan Future Applications」および「Toolkit: Application Fitness and Value Review」では、アプリケーションのペース・レイヤリング戦略を策定するための詳細なプロセス、指示事項、テンプレートを示し、この戦略を体系的に維持していく方法について述べている。

  • 差別化システムと革新システムについては、Oracleの製品/サービスを代替手段と比較評価する。ERP評価においては、ベスト・イン・クラスの選択肢を検討しないまま、ベスト・オブOracleの戦略に走らないようにする。



ハイブリッドERPの登場によって、Oracle中心戦略を掲げるITおよびアプリケーション部門のリーダーは、他社製のベスト・イン・クラス・ソリューションの採用圧力に直面する
企業は、ベスト・オブOracleとベスト・イン・クラスの両方の戦略に同時に従っていることが多い。IT部門やERPチームはしばしば、Oracle重視のベスト・オブ・ベンダー戦略を追求することで規模の経済性を最大化しようとするが、ユーザー部門や特定の職務領域においては、中央から命じられたERPベンダーのソリューションが自部門の要件に適さないと感じ、独自の戦術的ソリューションを購入して対抗することがある。中核的な自社運用型ERPを補完するために次第にクラウド・アプリケーションが採用されつつあり、クラウド・アプリケーションと自社運用型アプリケーションを疎結合したハイブリッドERPの登場によって、この状況が拡大している (「2013年以降のポストモダンERPの戦略的ロードマップを策定する」APP-13-152、2013年10月18日付参照)。こうして、ベスト・イン・クラスのクラウド・アプリケーションの採用に向けた圧力が強まることになる。ベスト・オブOracle戦略でさえ、ハイブリッドERPによる影響を受ける。例えば、Oracleはベスト・イン・クラスのクラウド型タレント・マネジメント・ソリューションであるTaleoを買収し、今ではそれをベスト・オブOracle戦略の一部にしている。

結果として、アプリケーションのペース・レイヤリング戦略は、特に差別化と革新の領域におけるベスト・イン・クラスのソリューションの需要と、記録システムにおいて堅牢な基盤を築くニーズとのバランスを取る上で役立つ。この戦略を通じて、ITおよびアプリケーションのリーダーは、戦術的な購入にかかわるユーザーの需要を管理し、全社的な戦略に適合する場合にのみ戦術的な購入が行われるようにすることができる。


推奨事項:

  • Oracleの記録システム・レイヤが明確に定義され、ビジネス・ニーズに合致していることを確認する。

    - ERPインスタンスの必要な統合をすべて完了し、自社の要件に合ったサポート期間 (ほとんどの顧客企業では少なくとも7年間) を得られるリリース・レベルであるかを確認する。PremierサポートまたはExtendedサポートを受けられるバージョンにアップグレードできない場合は、代替手段としてOracle以外のサードパーティによるサポートを検討する。

    - 記録システム・レイヤの管理とサポートをより容易にするために、できる限りカスタマイズを排除する (「Use a Pace-Layered Application Strategy to Clean Up ERP During Upgrades and Consolidation」参照)。カスタマイズが必要な場合は、疎結合の差別化システムとして実装することを試みる。

  • 安定した基盤をサポートするための適切なサービスを受けられるようにする。
  • Oracleのロードマップと、変化し続けるソリューション・ポートフォリオ (特に新しいアプリケーションの買収) を把握する。少なくとも6カ月または12カ月ごとに、Oracleの製品ロードマップと、自社におけるOracle導入ロードマップを検証する。Oracleが独自のハイブリッドERPバージョンとして、Oracle ERPの既存の実装と併せて、Oracle Applications Cloudの特定モジュールの採用を推奨する可能性があることに注意する (「Deciding If or When to Adopt Oracle Fusion Applications」参照)。IT部門は、Oracleの戦略に対する時代遅れの理解によって窮地に陥らないようにする。
  • すべてのレイヤを通じて効果的でバランスの取れたガバナンスを実施する。アプリケーションのペース・レイヤリング戦略は、ビジネス機能に対してどのソリューションを展開すべきかを示す参照モデルとする。差別化または革新のニーズについては、この戦略が遵守される限り、(記録システムよりも) 緩やかなガバナンスを採用することもできる (「Pace-Layered Application Strategy for Governance and Change Management」参照)。


Oracleのアプリケーション・ポートフォリオが多様であることから、ITおよびアプリケーション部門のリーダーは、Oracleの統合テクノロジとサードパーティの製品/サービスを比較検討しなければならない
ハイブリッドERP環境における統合に際しては、既存の統合テクノロジの選択肢を再考しなければならない。クラウド・アプリケーション統合テクノロジ (およびベンダーのロードマップ) は急速に発展し、変化しているため、これには課題が多い。複雑で絶えず変化するアプリケーション・ポートフォリオを抱えるOracleについても同様であり、そのため大半のOracle顧客は既に、連携型のアプリケーション・ポートフォリオを扱っている。各種の統合テクノロジがOracleから提供されているため、企業はOracleの統合テクノロジによって、レイヤ間の「接続テクノロジ」の一部をどのように形成できるか (「ペース・レイヤに対応したアプリケーション戦略のための接続テクノロジ」APP-11-82、2011年8月10日付参照)、またどのような場合にサードパーティの統合ソリューションが適切と考えられるかを判断する上で、アプリケーションのペース・レイヤリング戦略を活用することが重要である。


推奨事項:

  • いずれのOracleテクノロジを自社の接続テクノロジ戦略の一部とするかを特定する。

    - 自社運用型ERPでベスト・オブOracle戦略に専念する企業の場合、Oracle Fusion Middlewareが接続テクノロジ戦略の主要部分を担う有力な候補となる。サービス指向アーキテクチャ (SOA) による包括的な統合プラットフォームは、「オンプレミス・アプリケーション統合スイートのマジック・クアドラント」(APP-13-174、2013年12月5日付) においてリーダーに位置付けられている。

    - Oracleの自社運用型アプリケーションとOracle Human Applications Cloudまたはその他のOracleクラウド・ソリューションを組み合わせている企業は、Oracle Fusion Middlewareを、Oracle Fusion MiddlewareやOracle Databaseのクラウド・サービスで補完するか、他のOracleクラウド・アプリケーションによって補完することを検討する。他のOracleクラウド・アプリケーションでは、Oracleのクラウド・アプリケーションの要素と、Oracle E-Business Suite、Oracle PeopleSoft、Oracle JD Edwardsの自社運用型実装との間に特殊な統合が提供される。

    - ベスト・イン・クラス戦略を採用する企業は、Oracleのソリューションを、サードパーティ製のミドルウェアやサービスとしての統合プラットフォーム (iPaaS) ソリューションと比較検討する。複数のクラウド・アプリケーションを自社運用型の中核的なERPに統合する戦略的な手段として、iPaaSは検討する価値がある。

    - Oracleや他のクラウド・アプリケーション・ベンダーが提供する統合サービスも、総合的な統合戦略の一環として検討する (「クラウド/オンプレミスのハイブリッドERP環境で統合を管理する際のベスト・プラクティス」APP-13-125、2013年8月23日付参照)。
  • Oracleの接続テクノロジに関するロードマップのうち、特にクラウド統合やコンポジット・アプリケーション開発について注視する。



推奨リサーチ

  • 「ペース・レイヤに対応したアプリケーション戦略への着手法」(APP-11-81、2011年8月10日付)
  • 「ペース・レイヤリングをERP戦略に適用する」(APP-12-69、2012年7月10日付)
  • 「Best Practices for Implementing a Pace-Layered Application Strategy」
  • 「ペース・レイヤに対応したアプリケーション戦略のための接続テクノロジ」(APP-11-82、2011年8月10日付)
  • 「力の結節の影響:既存のアーキテクチャ・モデルをいかに変えるか」(APP-13-21、2013年2月5日付)

備考1 アプリケーションのペース・レイヤ
ガートナーが定めるアプリケーションのペース・レイヤは、以下の3層から成る。
  • 記録システム:中核的なトランザクション処理をサポートし、企業の重要なマスタ・データを管理する、成熟度の高いパッケージ型アプリケーションや自社製のレガシー・システム。プロセスが既に確立され、ほとんどの企業で共通しているため、変更のペースが遅く、また法規制上の要件が適用される場合が多い。
  • 差別化システム:企業固有のプロセスや業界固有の機能を実現するアプリケーション。ライフサイクルは中程度 (1〜3年) であるが、頻繁に再構成して、ビジネス・プラクティスや顧客要件の変化に対応する必要がある。
  • 革新システム:新たなビジネス要件や機会に対処するために特別に構築される新規アプリケーション。一般的にプロジェクトのライフサイクルは短く (最大12カ月)、部門単位または社外のリソースと消費者向けテクノロジが使用される。
備考2 接続テクノロジ
接続テクノロジは、アプリケーションのペース・レイヤリング戦略において3つのレイヤ間のインタラクションを実現する。接続テクノロジは一般的に、アプリケーションを連結したり、アプリケーションの価値を高める手段を企業に提供したり、現行ポートフォリオを基盤として新たな機能を生み出したりするツールである。接続テクノロジに含まれる一般的なテクノロジとしては、ビジネス・インテリジェンス、企業パフォーマンス管理、企業情報管理、SOAなどが挙げられる (「SOA Enables a Pace-Layered Approach to Applications」参照)。


(監訳:本好 宏次)
APP: APP-13-177


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